不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

血筋のこと

Yahoo知恵袋にたまたま身分違いの恋の悩みが掲載されていました。

隠し剣 鬼の爪」が大好きな自分ですが、こういう身分違いの恋というやつはなかなか新鮮です。

水戸黄門」にもそんな話しがいくつかあったと思いますが、私はこういう話しがとても好きです。

そういえば最近、Fカップの美女が武田の子孫だとか違うとか取り沙汰されています。

そんな言うならDNA検査でもしてみてください、と言いたい。

中国にも諸葛孔明の子孫だという凄く美しいモデルさんがいますよね。

華やかでいいじゃないですか、という程度の認識です。

母方の祖父母は貧農の祖母と豪農の祖父が結婚して浅草に駆け落ちしました。祖父の父は当初かんかんだったとか。

いつだったか、どこかの時代祭で藩主の子孫という地元の名士が甲冑を着て馬に乗せられていましたが、その方の表情は「やれやれ」という様相でした。それが今に至ってもとても印象的です。

スペインの諺には「血はワインよりも濃い」というのがあります。

中国や朝鮮でも血のつながりをかなり固くしてます。

私の家系には知る限り武士はいません。(多分)

息子にも別段武芸をさせようとも思っていません。

世は21世紀、民主主義の時代です。

血筋がどうのという時代ではないでしょう。

まあ、古典芸能界で襲名などがありますが、それはその名前の重さであって、血筋ではないと思っています。

私の武芸は血筋でやっているわけではありません。

完璧に自分の意志に基づくものです。これは自慢できます。

禅もそうです。親類に私以上に寺に足繁く通っている人はいません。

誰からも強制されていない、私の意志によるものです。

大名の末裔氏が祭りで馬上に祭り上げられている様を見て、血筋の何と迷惑なことかと思ったものでした。

もちろん、人によってはその血筋を誇らしく思ったり、伝統を大切にしようと思ったりしますが、そう言う場合は血筋というものは良い効果をもたらしていますから、そんな場合は大いに奨めたいと思います。

父方の祖父はなかなかの資産家でしたが、お金も学力も十分にあった父が大学に行きたくないと言ったとき、父の意思を尊重しましたし、清川町、当時はサンヤと呼ばれていたような場所に住む娘と結婚したいと言ったときも快く許してくれたそうです。父方の祖父は金や権威ごときにも縛られなかった方でした。血筋などにも縛られなかったのでしょう。私もその祖父に見習いたいと思っています。

今の徳川将軍家の当家は確かジャーナリストだったかコーヒーの研究家だったかだと思います。雑誌で知りました。紙面を読む限りとても気さくな方でした。

まあ、先祖が有名人というのは悪い気はしませんけどね。

平成二十五年如月二十七日

不動庵 碧洲齋