不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

グアムの惨事

海外で人のよい日本人はよく瞞されて金を巻き上げられることはあっても、某国のように嫌われたりシバかれたりされないことが多いのですが、今回の事件は衝撃的でした。

まずは亡くなられた方3名に対してご冥福をお祈り申し上げます。

南海の楽園と言ってもよいほどのグアム島でこのような惨事が起きることがなかなか信じられません。また、今までこのような事件が南の楽園で起きたという話もあまり聞きません。海外では気を抜いてはいけないことは当たり前ですが、今回のように異常な殺意を持っていた場合はなかなか防ぎようがありません。

一番恐ろしいのは近くに幼児がいたこと。そして犯人はその幼児ですら殺そうと試みたこと。多分この犯人は麻薬などで幻覚を起こしていたと思われます。

子供たちのお父さんお母さんは本当に立派でした。

昨今、親殺し子殺しがニュースでよく流れていますが、とっさに身を挺して我が子を守るのは本来当たり前ですが、命を賭けてそれを全うしたお母さんには本当に敬意を表したいところです。そんな立派な母親が命を落とし、本当に残念です。

生き残ったお父さん、子供たちはいたたまれません。二度と海外には行きたくなくなるかも知れません。確かに日本より安全な国はあまりないと言えます。

どうしてこんな惨事が起きてしまったのか。本当に悔やまれます。もし自分がその場にいたら防げただろうかと思うと他人事ではありません。その日その時その場所でたまたま運良く強いのが武芸者で、武芸者の修練というものは、そのたまたま運がよい、をなるべく確率を上げ、再現性をもたせるべくする以上のものではありません。残念ながら。その辺りがスポーツ格闘技と根底的に違うところなのですが、そう思うとき、勝負は戦いの外に、という言葉にもうなずけます。

一歩家の外に出たら常に清水の如く、明鏡の如く、静寂の如くあって事に臨みたいと思います。今年も息子とロシアに行く予定ですが、自分はもちろんのこと、息子にも非常時の対応を教えようと思います。

子を持つ親には何ともやるせない事件でした。

平成二十五年如月十四日

不動庵 碧洲齋