不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

宇宙に馳せる夢

先日たまたま息子と日本が核融合炉の建設が始まったことを話したところ、宇宙船のエンジンの話になりました。

まず現在の燃料式のロケットではせいぜい火星が限度。もっと遠いところに行くにはやはり核融合を利用したエンジンなどではないと難しいという話になりました。

うまく効果的にエネルギーを抽出でき、光束の3割程度の速度が出せる宇宙船を建造できれば、わずか4光年ちょっと先にあるプロキシマ・ケンタウリまでは10年少々で行けます。なにもSFみたいにワープドライブである必要はありません。

とはいえ、核融合炉が実用化されるのはどんなに早くても今世紀の後半か来世紀の初めでしょう。

息子はどうしても超光速が夢のようです。そこで息子に反物質の話しをしてやりました。

2011年に今まででもっとも長い間、存在を継続させることが出来、ニュースにもなりました。物質/反物質対消滅エンジンであれば、あるいは超光速も可能かも知れないと話しました。実際、「スタートレック」に出てくるスターシップは反物質をエネルギー源として宇宙を駆け巡っています。

息子が老人になる頃には多分、核融合炉は実用化されてもおかしくありませんし、同じようなプロセスで反物質の効率的な抽出と利用方法が確立されつつあるかも知れません。そうなったら太陽系はもう広くありませんし、近場の恒星系はともかく行ける距離になります。

核融合エンジンや物質/反物質エンジンという未来の機関に手が届くところに息子はいます。

それらが戦争ではなく、宇宙開発に仕向けられるようにするためにはやはり人類の英知、そして子供達に未来を託す熱意が絶対不可欠です。親が子を殺したり、子が親を殺している場合ではないのです。宇宙開発には膨大な予算が必要です。地球上では年間に400兆円程度の軍事予算が使われていますが、天空のISSはたったの12兆円です。最低限の軍備は致し方ないのですが、限られている資源を無駄遣いしている感ありです。

人類はまだまだ、もっと宇宙に躍進できる可能性を秘めています。私はいつも、息子に熱くこのことを語ります。

地球上で人間同士がつまらぬ事でいがみ合っている閑があったら天を見ろ、宇宙に行くためにどんなことをしなければならないのかよく考えろ、と息子に話します。

人類はあまり賢くないような気もしますが、宇宙に行く経験を積むと同時に、何か重要なことも学んでいけるような、そんな気がします。

私は息子に本人の夢に人類の未来を相乗りさせて、未来に送り出したいといつも想っています。

平成二十五年如月朔日

不動庵 碧洲齋