不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

日本国憲法第9条 息子と語ったこと

先日、息子と書店に行くと、可愛らしい子犬と子猫の写真が入ったカレンダーが置いてありました。何気なく手に取ってみるとカレンダーの左側には「守ろう憲法9条」のタイトル以下、ナントカ遺産にしようとか、人類の叡智がどうのとか、怒りを通り越して呆れました。そして右側の子猫ちゃんたちとのギャップに笑わずにはいられなかった。

息子は漢字は読めたらしく「日本国憲法第9条って何?」と聞いてきたので、まず原文を読んでから説明しました。

「まあ、簡単に言うと『日本人は正義とルールを守ることで世界平和を求めているから、国が決めた戦争や軍隊を使うことは他の国との戦争を解決する方法としては永久にやめます。』『それをしないために陸軍海軍空軍その他の軍隊を持ちません。国が戦うことを認めません。』と書かれている。」

息子は狐に瞞されたかのようにきょとんとして、しばらくしてから聞き返してきました。

「でも自衛隊があるよね?」

「厳密に言うと、実は自衛隊は立派な憲法違反だ。今でも野党と論争になっている。」

「え?自衛隊をなくそうと思っている政治家が本当にいるの?軍隊を持たないなんてありえない。だって今、自衛隊がなくなったら○○国が攻めてくるじゃん。」

「日本人は正義とルールを守ることで世界平和を守れるんだそうだ」

「・・・バカ?」

息子は完全に呆れ果ててしまいました。

「この憲法には二つの解釈しかない。憲法が間違っているのか、自衛隊が間違っているのか。」

「え?・・・本気でこの憲法が正しいって思っている人がいるの?」

「だからこんなカレンダーを作って売っているんだろうな。」

「この人たち絶対にバカだよ。どこかおかしいんじゃないの?というか本当にその人たち日本人?」

「いや、俺もそう思うよ。」

「国レベルで考えると分からなくなるから、家で考えてみようか。泥棒が家に入ってきても、正義を持って相手にルールを守ってもらうことをお願いすれば、犯罪がなくなるって事で、そのための防犯設備は一切使いません、と家の外に張り紙を出しているようなものだ。」

「・・・」

「でも実際はその家はとてもお金持ちで、かなりのお金を使って防犯設備を家に付けている。さて、防犯設備が悪いのか、防犯設備は付けませんという張り紙が悪いのか。」

「そんなの考えるまでもないじゃん。日本には信じられないような憲法があるんだね。ビックリしたよ。」

「そうだな、殴られても殴り返さないことはもしかしたら個人ならできるかも知れない。俺はやらないけど。でもこれを家でやれば家族に迷惑が掛かる。国でやったら国民みんなが迷惑する。そういうことも分からない日本人があまりにも多いな。」

「そうだよね、だって実際、○○国や○○国なんかいつ攻撃してくるか分からないよね。あ、あの国はミサイルを撃っているんだっけ(苦笑)。」

「まあ、お前たちが大きくなる頃には、こんなお馬鹿な憲法が直されていることを期待するよ。」

で、翌日、たまたま陸自広報センターに行きました。

うちの子が通う小学校にどのくらい日○組がいるか分かりませんが、息子だけは世界的にみて異常な考えになって欲しくないと思った次第です。

平成二十五年正月八日

不動庵 碧洲齋