不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

流星への願い

昨夜は双子座流星群が観られるということで稽古を休み、息子と流星群を観ようと思い立ちました。

何を隠そう、私は中高と立派な科学部員でした。運動部ではありません。

高校の時、所属していた科学部で初めて「流星観測」なるものを体験して以来、これの素晴らしさに惹かれたものです。高校の時に観察したのは8月に見られるペルセウス流星群、いうまでもなくこれより規模の大きい流星群はありません。

これは多いと一晩で数百見えます。流星観測は山間部のキャンプ場にて行われました。

観測はまず8方位と天頂の合計9方位に各1名ずつ配置、そして記録係が2.3名。部員の数を勘定すると1.2名を数時間毎に交替させるというものでしたが、やはり真夜中を過ぎると眠くなったりしたものでした。

流星が見えると、以下の要領で記録係に報告します。

番号(方位ごとの位置)

等級(明るさ)

色 (色々な色があります)

群 (ペルセウス流星群ならペルセウス座方面から飛んでくれば群あり、そうでなければ群なし、となる)

痕 (尾を引いているかどうか)

それと速さなんていうのもあったかな?昔のことなので忘れました。

それでこれを後で統計を取って発表するわけです。

ロマンチックなのも最初のうち、後は機械的に報告するだけなので、退屈さと睡魔との戦いです。

まあまあそれでもみんな頑張って観測して、集計後は感動に浸ったものです。

昨夜は家からすぐの遊水池広場に20時過ぎに行きましたが、途中からもう一組の家族も寝袋などを持って来ました。

あいにくと周囲には防犯灯などがあり、本当に暗いと言えるのは天頂だけでした。

しかし幸いにも私は1時間で3個ほど見ることが出来ました。

一つは天頂近くをかすめた赤みを帯びた流星。

一つは群なしと思われる小さな流星。

最後は双子座が出ていた反対の西の空に、長大な尾を引いて落ちていった流星。

ついでだったので天体望遠鏡も持っていき、他の星も見ました。

さすがに外はかなり寒いので1時間でお終いに仕舞いましたが、息子はしきりに

「流れ星にお願いをするとかなうんだよね~」

と嬉しそうに言っていました。

「なにをお願いするんだ?」

「ガンバができるだけ長生きしますようにってお願いするんだよ。」

「そうか、それが一番いいな。」

「ガンバが長生きするといいね。」

「そうだな。じゃあパパもガンバが長生きするように祈ろう。」

我が家で今、最も関心が高いのはこの新しい家族のことです。

宇宙への関心、生命への関心、星を見ていると己の卑小さを思い知らされます。

こういう時間を息子と共有できることはとても嬉しい限りです。

平成二十四年師走十四日

不動庵 碧洲齋