この台詞はかの「スタートレック」のオープニングで使われていたものです。
私はこの「スタートレック」が好きで、高校生ぐらいからファンでした。いわゆるトレッキーというヤツですか。
この頃から私は当流に入門して世界中の様々な国からやってきた門下生たちと稽古をしていました。
だからこの「スタートレック」の世界観にはなかなかリアリティがあって、何世紀かしたら本当に異星人と肩を並べて宇宙で仕事などをしているんだろうなとも思ったものでした。
そういう父親の元に息子がいます。
生まれた時から外国人と普通に接し、英語にも親しんでいます。
9歳にして海外に1年程ですが住んでいたこともありますし、それ以外にも海外に行きました。
息子の世界観はまだ謎が多いのですが(笑)、この辺りを考慮すると、宇宙は彼にとって私よりもずっと近いところにあるようです。
最近は「宇宙戦艦ヤマト2199」を観てからと言うもの、更に宇宙熱が加速しています。日曜日の朝にやっている「宇宙兄弟」も欠かさずに観ています。私としては嬉しい限りですね。
数日前、息子は将来の仕事について相談してきました。
「俺さあ、宇宙飛行士になるかロケット設計技師になるか悩んでいるんだよ。」
大したものです。しかも私の時代と違って、息子が生まれた時から日本人は宇宙に行っています。
私は一昨日、早速JAXAのHPにある問い合わせにメールを出しました。
この御時世です。同じことを訊いている人は多いはずですし、そもそも宇宙関連の質問をしてくるひとはかなり多いでしょう。あまり期待しないで待っていたのですが、昨日の夕刻に返事が来ました。しかも長文で。A4で5枚分になりました。返事はJAXAの広報部からでした。
内容は親切丁寧で、更に宇宙について熱く語られています。もっと驚いたのは多分、この文面はリンクやその説明を除けば定型文などではなくてちゃんと打って作られたものであることが分かります。正直涙が出そうなくらい感激しました。ハードウェアのみならず、このような未来の宇宙飛行士・エンジニアを育てる事業も極めて重要視しているところに日本の宇宙開発の強みがあるのかも知れません。裾野を広げる努力もしている辺り、深遠な配慮があるように思います。
秀吉の逸話だったと記憶していますが、ある日、秀吉が「この世で最も多いものは何であろうか」という問いに、ある家臣(有名な方だったと思います)は「それは人でしょうな」と答えました。更に「ではこの世で最も少ないものは何であろうか。」という問いにも「やはりそれも人でしょう。」と答え、二人で得心したとか。分かる気がします。
宇宙飛行士の条件はミッションによって異なるそうですが、どの場合でも必要なのが、閉鎖空間で少人数とうまくやっていけるコミュニケーション能力、英語力、そして水泳なのだそうです(海に落ちた場合に備えて)。偶然にも息子はその三つを年齢以上には備えています。まあこれからが勝負でしょうけど。
武田信玄も「人は城、人は石垣、人は堀」と言っています。国の基を打立てるのが人ならば、どの分野に於いても根幹を成すのも人だと思います。息子には是非人間力を磨いて欲しいと思っています。
平成二十四年神無月二十七日
不動庵 碧洲齋