不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

工場の片隅に仏がひとつ・・・

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会社の事務所は工場の2階部分にあります。

建築されたのは私が生まれた年だそうで、エラくぼろい工場です。

まあ、それでも国内でも1.2社しか作っていない道路建設機械を作っているので、この不景気でもありがたいことに結構仕事を頂いております。

工場の入り口に植木鉢があります。

枯れているのかと思いきや、時折、ピンク色の可憐な花を咲かせます。

全く殺伐とした無機質な工場にあって、こういう景色は和ませます。

植木鉢は舗装されたところに置いてあるので、日中は非常に暑くなると思います。

それでも時々、花を咲かせます。

それが本当に健気に感じ、いじらしくもあります。

朝や夕方に水をあげようとしましたが、どうやら他の人も同じ事を考えているようで、植木鉢の中は水が差された跡があります。

社員のほとんどはむさ苦しい中年以上の男しかいませんが、そういう連中でさえも無視して通りすぎるには可憐すぎる花なのでしょう。

工場の裏にはアケビがなっています。昔誰かが植えたそうですが、今は半野生化して、何年か前にちょっと食べてみましたが、あまりうまくありませんでした。来年辺りはゴーヤでも植えてみましょう。

ロッカールームにネズミがいるようです。時々フンが落ちています。

工場のどこかには猫の親子もいるはずです。

春になると桜が本当に美しい。

仏は仏だけでは見えませんが、仏がこのような現れ方をするにはきっと、何か深いメッセージがあるのではないかと、よく思ったりします。

平成二十四年長月十二日

不動庵 碧洲齋