これは実際に起ったことです。
留学時代、一時期日本人留学生とルームシェアしていました。
そして毎週、食料品の買い物に行く訳です。
1週間で50ドル、一人25ドルぐらいにしようと取り決めていました。
が、そこは食べ盛りの年齢で会計の切り盛りの悪さ。二人で買い物をしても時々60ドル近くになってしまうことしばしば。二人で計算しながら買うのですが、そもそも50ドルでは少々少なく、ちょっと少ないんじゃないと言うと「うちは母子家庭で生活がギリギリなんだから贅沢できないんだよ」と、家庭の環境を盾に取るような言い方をされ、やむなく従っていました。こういう言い方をされると片親の環境でも同情や配慮はしたくなくなった次第です(苦笑)。
数週間後、大学で昼食を取っていると、別の日本人留学生がやってきていきなり。
「お前のうちって、毎日フランス料理を食べているんだって?」
「は?」
別の留学生は、
「高校時代までは専属ドライバー付きの自動車通学で家にはメイドが何人もいるって聞いたぜ。」
「へ?」
「おまえのお父さんって、大会社の社長なんだろ?」
「・・・」
彼らはどうやらからかっているのではなく、本気で信じているようです。
話をよく聞くと、話しの発端はどうやらルームメイトから。
食費の予算がオーバー気味 → 碧洲齋はあまり気にしていない → きっと金持ちに違いない → 毎日フランス料理でも食べられるご身分なんだろうか → メイドもたくさんいる大会社の社長の御曹司に違いない。 とまあ、こんなふうに伝言ゲームが推移していった訳です。少し腹に据えかねたのでこのねじれ方の説明を、わざとルームメイトの目の前でさせました(笑)。本人は逆ギレしてましたけど。1週間で5ドル程度のオーバーでココまで尾ひれが付いたのは後にも先にもこれが最大級です。(その後、怒りを通り越して笑い転げたのを良く覚えています)
と、うわさ話の類は大抵こんな他愛もなく、事実でもないことがほとんどです。全く事実が入っていないとは言いませんが、それは控えめに言っても三国志演義と三国志の違いぐらいに匹敵するといって良いでしょう。もしかしたら徳川光圀伝とTBS「水戸黄門」ぐらいの差があるかもしれませぬ。
次はフェイスブックのことです。
世界中の外国人達と交流があることから、かなり早くからフェイスブックに入るよう勧められていました。
が、ご存じのようにあれは実名制です。mixiではハンドルネーム「不動庵 碧洲齋」を使っていましたし、この名は武号としても愛用していました。ちなみにこの武号は知人友人間ではかなり認知度があり、単なるハンドルネームではないと自負しています。ネット上に自分の実名を出すことはかなり長い間憚られました。
ちなみにその頃はちょうど、2ちゃんねるが何かと社会問題になっていた頃です。
フェイスブックに参加したのは2010年の3月1日。偶然にも東日本大震災のほんの少し前です。正直今でもフェイスブックは少々怖いです。世界中の諜報機関や警察機関、政府機関が巡回して情報を収集しているそうです。実名なので簡単に見つかります。ありきたりの名前だと同姓同名の人間がたくさんいますが、住所や年齢、状況を読めばかなりの確率で絞れます。
それでも私が利用している理由は二つ。
一つは世界中に散らばっている友人達と交流し意見を交わすにはかなり便利なため。また、多くの人は自分の写真を掲載しているので、顔と名前が一致し、忘れにくいため。仕様は概ねmixiと同じですが、フェイスブックは世界的な規模です。今、フェイスブックの友人は210人になりましたが、7割以上は実際に会ったことのある友人です。世界中に散らばる友人達が多いと言うことを考えれば、これはかなり高いリア友率と言って良いでしょう。mixiも基本的にはほとんど会ったことがある友人が大半です。会ったことがない人も、機会があったら是非会いたいという方がほとんどです。世界中の武友達は日本人が武芸について日本文化についてどう思い感じているのか知りたがっています。翻って日本人からの英語での発信はあまりに少なすぎるように思います。我が身を振り返り、客観的に見て、キャリア的にも年齢的にもそろそろ時季ではなかろうかと思った次第です。
そしてもう一つの理由、こちらの理由は割に世界的に正統性を認められているのですが、実名を出すことによって、自分の発言に責任を持つこと。私の場合は自分のHPで実名や素性などがかなりよく分かるようになっていますが、実名も堂々と出すことによって、自分が行ったことに責任を持たせるというフェイスブックの方針に感銘を受けました。
mixiや2ちゃんねる文化の日本では実名でないことをいいことに、かなり無責任な発言が横行しています。そういう意味で、フェイスブックが日本で普及するか否かは日本人の資質を試される試金石になるのではないかと思います。
・・・と、長くなりそうなので、取りあえずここまでとします。続く。
平成二十四年長月十四日
不動庵 碧洲齋