訪露中、生まれて初めてバレーというものを鑑賞しました。
ロシア青年劇場という、ボリショイ劇場の左隣にある小さな劇場でしたが、内装はよくテレビに出てくる感じの立派な劇場でした。鑑賞したのは白鳥の湖。
私は高校生ぐらいのときからチャイコフスキーが好きで、よく聴いていました。
鑑賞料はそんなに高くなく、普通席で3500円ぐらい。
主役のバレリーナさんはさすがにすごかった。
見ていてゾゾッとするぐらい鍛え抜かれていたように思います。
舞台の上では全員が常に何らかを演じていますが、演出上でおしゃべりをしているとき、静止しているときもオーラを感じました。
ふざけていましたが、道化師の人の動きはかなりのものです。
端役のバレリーナさんですら、バランス感覚や動きの滑らかさに唸らせる程うまかった人がいました。
白鳥の舞いなどはため息が出る程の美しさです。出演している方全て美しいのに、動きも完璧なぐらいに美しかった。
出演していた男性陣も、例えば王子様役などは、本当に少女漫画に出てきそうな美男だったのでそれが妙におかしかったです。
この国ではバレー人口は多いのでしょうか?よくバレー留学する日本人の話は聞きますが。
しかし豊かになってきているので、こういう芸術に進む若者は多くなってきているのだと想像します。
時間にして3時間近くだったでしょうか。
観光客も多かったように思います。
そんなにフォーマルなところでもないので、普段着で来ていた人が多いようでした。
私もジャケットを持参しましたが、それならもっとカジュアルにすればよかった。
しゃべらないのため言葉が分からないという心配はないので、外国人向けではありますが、大変失礼ながら中国人観光客がきわめて少なかったことはよいことでした。おかげで静か見られました。
あ~でも劇中でフラッシュ撮影していたアジア人がいたな。もちろん、中国人以外は思い付きませんけどね。
武芸をしていると他人の動きを参考にしたがるクセがありますが、それと同時に見ているものを楽しむたしなみを持てるようになります。
何かの話しだったと思いますが、油を一杯入れたスプーンを持ってこぼさずに周囲を見渡して感動するようなものです。武芸者はかくありたいところです。
サンクトペテルブルグでは限られた時間ではありましたが、ロシアの芸術作品を見ることができました。さすがに世界でも有数の美術館だけあって、唸らされるものがたくさんありました。個人的にはルノアールが好きです。基本的に芸術を解する人とは分かり合えそうです。
平成二十四年葉月二十二日
不動庵 碧洲齋