不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

露景

今回でロシア旅行は2回目です。

また、今回は初めてロシア人友人のお宅に1泊ですが宿泊しました。

ロシアに行ったことがある人も少ないでしょうが、一般家庭に宿泊したことがある方はもっと少ないと思います。

今や経済的に躍進しているロシアを象徴するかのように、モスクワ郊外でもマンションや家がどんどん建てられています。

概してソビエト時代に建てられた建築物は無機的でレゴブロックのような感じですが、ロシアになってからの建物はみなおしゃれです。しかしそれでいて周囲との調和を壊しません。

耐震強度の問題などもあるのでしょうが、日本のマンションのデザインなどはかなり見劣りがしました。

友人宅もまだ温水が出ない状態でした。家の前の道路もまだガス管を設置したり下水を直したりと正式に舗装するにはまだ時間がかかるようで、ひどい状態でした。

しかしながら新しく立てられた家はなかなか素晴らしく、かと言って過美にならず、周囲の風景にそぐわない造りもありませんでした。法律的にはどんな建築もOKらしいのですが、私が見た限りはほとんどの家は風景になじむようなデザインでした。この点、北欧の家とかカナダの家を輸入してありがたがっている日本人は反省していただきたいところです。もっとも家を建てているのはやはり出稼ぎ労働者のようでした。どんなことを考えながら他国の他人の家を造っているのか、気になりました。

新たな建物がじゃんじゃん建てられてきているとは言え、モスクワ郊外は非常に美しい自然に恵まれています。モスクワ市内でもよほど中心街でもない限りは緑が豊富です。

今回はサンクトペテルブルグ高速鉄道で行きました。

高速鉄道はドイツ式の列車/システムのようでした。前に一度だけドイツの高速鉄道に乗りましたが、新幹線に劣らず、非常に快適でした。一般の路線を走るのが不思議な感じでしたが、モスクワからサンクトペテルブルグまでの景色は本当に見飽きない程に美しく、ため息が出ました。人口密度が少ないのでこういう美しい自然が守られるのでしょう。今度は高速鉄道ではなく、普通の列車に乗って寄り道したいものです。数軒の家以外何もない大自然の素晴らしさは未だに目に焼き付いて離れません。

次回は黄金の環という地域に行ってみたいところです。

ちなみに高速鉄道のパンフレットにはちゃんとドイツからの技術供与によって建設/運行されたと書いてあります。この辺り、どこかの国とは違いますな。

サンクトペテルブルグ。いやいや素晴らしい。裏通りですら美しかった。さすがに世界遺産に登録されている建築物が多いだけはあります。先にも書きましたが、ここで働いている大工さん達は多分みんなかなりのプロです。装飾まで直すとなると素人や出稼ぎ労働者ではできないと思います。

エルミタージュ美術館、名前は知っていましたが、本当に世界有数の美術館でした。中で何度も迷いました。騎士の装備品が一番印象的でした。(侍の甲冑の方が実用的だと思う!)日帰りだったので十分観ることはできませんでしたが、いずれまた行ってみたいと思います。

今回赤の広場は世界中の軍隊とか警察の軍楽隊が集まって大会のような開かれるために、仮設会場として立ち入れませんでした。残念。クレムリンの中も時間の関係で入れませんでした。

気候は一昨年とは打って変わって涼しかったです。日本で言うと軽井沢ぐらい?曇り時々雨の天気が続いたので残念でしたが、ひどい雨でもなかったのが救いでした。これが普通の気温らしいのですが、確かにこれだと長袖が1.2枚あってもよいと思いました。ただし晴れると日本と同じぐらいの暑さです。

平成二十四年葉月二十日

不動庵 碧洲齋