少し前に禅林世語集という本を買いました。
文庫サイズの本なのですが、書いてある内容は短歌、和歌、俳句で、直接間接的に禅に関係しているものです。
全部でいくつあるのか分かりませんが、結構な数が五十音順に納められており、作者も有名人無名人様々です。
ネットで探すと、長野県の臨済宗のお寺で内容が全て挙げられているサイトがありますのでご参考ください。
臨済宗 畳秀山 開善寺
http://kaizenji.org/sonota/sego.html
このサイトによると禅林世語集とは「いわゆる「禪語」が漢字なのに対し、「世語」は巷間で使われている言葉で禅意を表そうとするものです。和歌や俳句、時にはその時代の落首までもが世語には含まれています。」なのだそうです。
この禅林世語集、いつもバッグに入れて閑な折に適当に見開いて読むのですが、おもしろいことにその日その日の心理状態や時間などによっておもしろいと思うところがコロコロ変わるのです。
前にチェックしたところが後で読み返すと、こんなの何がおもしろいんだ?と思う一方で、チェックしていなかった句に「何でこんな意味深な句に気付かなかったのか!」と思わず膝を叩きたくなります。
日に日におもしろいと思う句が本当に移りゆく様を顧みるに、我が心の移ろいやすさが客観的に分かろうというものです。そんな心があれやこれや我が主の如くいちいち決めるのですから恐ろしいものです。
まあ、それはそれとして、これを編集した作者はなかなかの者だなと感心して読んでいます。
平成二十四年水無月二十七日
不動庵 碧洲齋