不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

韓流ドラマでちょっと笑えなかったところ

妻の実家に行った折、久しぶりに韓流ドラマを拝見しました。 タイトルは確か「海神」とかいうものだったと思います。 歴史物ドラマです。 ま、フィクションですから大目に見ようと思ったのですが、どうにもツッこまずにはいられない部分があったので、ちょっと言わせてください(笑) 【甲冑】 ずーっと甲冑を着ていた方がいらっしゃいましたが、それはないでしょう。 宗主国の中国では武は「凶器」ですから、戦闘時以外は極力脱いでいるものです。 中国と朝鮮では「文武百官」と言って、文官と武官がビシッと分けられていました。 何か勘違いしている製作スタッフがいるようですが、ちなみに「武士」という概念は日本だけのオリジナルです。 日本の大河ドラマよろしく(大河ドラマだって戦闘中以外では甲冑なんて着てません)しょっちゅう着るなんてことはまずありえません。 しかも西洋風の甲冑のつもりなのでしょうけど、質感が日本の特撮ヒーローものに出てくるコスチュームみたいで重さがない。 せめてあれが本物の金属だったら多少リアリティがあるんですが・・・。 【殺陣】 剣道も韓国発祥でしたっけ?(笑) 殺陣のアクションは完全ハリウッドアクションでした。 跳んだりはねたり、ワイヤーアクションだったり。 言っては何ですが伝統の「で」の字も見あたらないように見受けられました。 ま、韓国武芸が高尚すぎて、私如きが分かろうはずもないかもしれませんけど・・・。 朝鮮がオリジナルだと言うなら、もっと伝統芸能を見せて欲しかったです。 ちなみに「水戸黄門」の方がまだ100倍ぐらいは伝統武芸を披露しています。 【交易】 当時の日本に本格的な造船技術がないことや、勘合符がないと交易どころか拘留される下りだけはかなり正確でした。 でもこれって中国とか日本の記録にあったからじゃなかろうかと勘ぐってしまいます。 【唐】 劇中、どなたかが「いつまでも唐の犬として・・・」と中国を揶揄っていましたが、キミタチの官制やライフスタイル、物品に至るまで、完全中国式じゃないですか(笑)。私はあまり朝鮮史には詳しくないですが、ドラマの中では中国と違うところの方が遙かに少なかったように思います。しかも朝鮮の商人ってそんなに活躍してたんですか? 【軍商】 ん~、初めて聞いた単語だ。ええ~っと軍商って何? YAHOOで調べると日本語でも使われていたことはあります。 ただし日本語の意味だと、軍事と商業に使える都市、とかいう意味がほとんどですが、どうやらドラマでは軍事に関連して儲ける商人のことのようです。・・・これって結構笑えませんね。日本にはない概念です。 従軍慰安婦という問題は彼らの「軍商」概念から来ているように思うのは私だけ?だって日本には軍商なんていう言葉がないんですから。 (ちなみに「大辞泉」にも出てきません。) これはゆゆしき事態です。 軍隊に付随して儲ける人間はもちろん日本にもいましたが、たとえこれが「軍商」だったとしても、朝鮮と決定的に異なるところがあります。 「海神」HPの20話のあらすじには例えばこんな風にあります。 「突然何の前触れもなく、唐の宰相が揚州に現れ、ソル・ピョンに朝廷の軍商となるよう要請します。」 イギリス海賊みたいに政府公認の商人ってことですか? しかもこの言い方だと中国にも朝鮮にも軍商っていう概念があるって事ですよね?(私は知りませんでしたが) この単語には素直に「オイオイ、マジかよ」、って思ってしまいました。 (ちなみにまがりなりにも大唐帝国の宰相が朝鮮の一商人のことなど感知しないと思ったりします) この軍商、どう思います? SD120105 不動庵 碧洲齋