不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

氷上稽古のこと

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息子がどうしても撮影したいというので・・・

自宅の裏は更地になっていて、うまい具合に雪と氷が張ったままになっています。

ということで昨日、久しぶりに氷の上で稽古をしました。

高校生の時や大学生の時は良くやりました。

散々頭や体をしたたかに打ったものです。

氷の上で稽古をすると、色々な自分のクセが分かります。

特に不自然な動き、バランスの悪い動きは即座にカミングアウトします。

垂直に近い足運び、地面に水平な歩み、反動を付けない動き、溜めない動き、中心軸を意識した動きなどなど、これがなかなか微妙なところを氷は直してくれます。

本当は池などが凍った上でやるのが一番ですが、なかなかそういうところがないので裏の敷地で我慢です。

靴は日頃から履き慣れているGTホーキンズの普通の革靴。

ま、古くなってきているので靴底が結構へたれてきてはいます。

普通に歩く、小走りぐらいではさすがに何ともありません。

今の歩き方はかなりこういう場所には強いのです。

受身も全く問題なし。受身は円運動の集大成なので、よほど素早く動いても基本、ほとんど滑りません。

突きや蹴り、まあまあこれも大方問題なし。もっとも氷上で突いたり蹴ったりはあまりしないと思いますが。バランスを確認する意味で。

剣術ではさすがに難しい。甲冑刀法のように低い姿勢で低い斬撃だと問題ありませんが、普通の剣術の刀法ではこれがなかなか難しい。動かないままで切るのはまだしも、動いたりして切ると結構滑る。

もうちょっとツルツルの氷の上が良かったのですが、贅沢は言っていられません。

昔に比べるとさすがにバランスは良くなってきました。多分。

身を切る寒さでしたが、15分もやっていると汗が出てきます。

本当はもっとやっていたかったのですが、実はすぐ隣が幹線道路。

思い切り見せ物状態です。(爆)

渋滞してきているので、ドライバーたちは「この親子、何やってんだ?」と言わんばかりに見物し始めているので切り上げました。確かに恥ずかしいな。

こういう自然を利用した稽古というのはなかなか重要です。

優れた武芸者は畳武道、板敷き武道を正しく認識できます。

創意工夫ができる武芸者は山中に稽古の場を求めます。

ただ、現代に於いてしょっちゅう山の中に入って稽古ができるなんて人はそう多くはないでしょう。

(地方はともかく都心では)

故に道場にあって山中の如く、山中にあって道場の如く稽古ができるのが一番ではないかと思った次第です。

SD120130 不動庵 碧洲齋