妖怪人間ベム 所感
クリスマスイブに息子と二人で観ました。
人間になれるのだろうか?
原作みたく、結局願い叶わず焼け死んでしまうのだろうか。
結末は書きませんが、多分どなたも納得できる選択だったように思います。
ベム役の亀梨和也さん、ベラ役の杏さん、ベロ役の鈴木福君、それぞれ素晴らしい演技でした。
亀梨さんの表情と声に込められた切なさは、なかなかのものでした。
私は「姉御肌」の「美人」には巨大戦艦の前の駆逐艦の如くに完全に弱いです。ほとんど無条件にひれ伏してしまうことしばしばです。(笑)
それにしてもあんなレトロな髪型でも似合う女性ってなかなかいないと思いました。
あ~、子供にも結構甘いですよ。
自己犠牲
ちょっとカッコイイし、「キレイ事言ってんじゃねえよ!」という言葉が聞こえそうですが、人はこれあっての人ではないかと思った次第です。
よくベムが言う「困っている人を助けなくなったら、俺たちは本当の妖怪になってしまう」という言葉は重いです。
中国でも目の前で車に轢かれている幼児を無視し続ける社会はまるで妖怪じみています。
日本人も笑っていられません。最近では妖怪じみた事件がよく起きています。
どうしても譲れぬ、自分の夢を殴り捨てて、他人のために生きるなんて簡単にできません。
禅では「自分」などという存在は単なる自然現象の揺らぎにしか過ぎないと考えられていますが、その揺らぎの強固なこと。自己保存本能そのものが妖怪なのかもしれません。
息子と最終回が終わった後に話しました。
「お前さぁ、他の人のために自分がしたいことを我慢したり、他の人を助けるために自分を犠牲にできるか?」
意外に息子はすぱりと
「うん、やるよ」
と答えました。あまりの淡泊さに
「ホントかよ~」
なんて茶化しましたが、表情を見る限り大きな嘘ではなさそうです。
確かに息子の協調性の高さや友達付き合いをみていると、自分を殺す方法をよく知っていそうです。
私自身はホントに時々情けなくなるほど修行が足りませんが、私の言わんとすることが息子にはよく継承されていることに誇りを感じます。
SD111227 不動庵 碧洲齋