思えば初めて槍を手にしたのはかれこれ19年ぐらい前になるでしょうか・・・。
正確な年は忘れてしまいましたが、その頃、当流では毎年テーマを決めて稽古するということになり、前年が棒と太刀、当年が槍と小太刀、翌年が薙刀と太刀になったと思います。
なにぶん当門は継承流派が多いので、使う武器もゲテモノを含めて雑多。
多分、宗家はそれぞれの入門コースを指南して、後は各自で稽古するようにという心づもりだったのかも知れません。
ともあれそれ以後、長物武器がかなり気に入ってしまい、6尺棒、7尺棒、各種槍、薙刀(私が持っているのは特注品の香取神道流の写しで、けっこう重い)を夢中で稽古したものです。
棒だとやや満足がいかず、さりとて薙刀は振り回すのがなかなか大変(なにせ8尺4寸もあるのでかなりキケン)。
ということで以後、7尺少々の白樫を削って作った素鎗が自分の得物になりました。
色々武器を手にしてみましたが、やはりどうやら槍はかなり有効な武器のようです。
そのうちに実物が欲しくなります。が日本刀ならいざ知らず、本物の槍なんてなかなかありません。
結婚してまもなく、その時住んでいた家の偶然近所の神社で骨董市が開かれていましたが、なんとそこで槍を発見!色々な種類の槍が置いてありました。
話を聞くと、東北(秋田だったかな?)の大きな農家を取り壊していたら、屋根裏から出てきたとか。
素槍と十文字槍が欲しかったのですが、予算の関係で素槍を大負けに負けてもらい、買うことができました。
いや~、本当に嬉しかったっす。狭い賃貸住宅の中で日夜、ニヤけて槍を持つ様は今思うとチョット怖い(笑)。
穂先は実物ですが、刃はつぶしてあります。刃があると日本刀と同じ扱いになりますので少々面倒。もっとも刃が潰れていても甲冑ごと人間を刺し通すのは難しくないほどには鋭いままです。
細身です。八分径。ちなみに実戦用の棒も八分径です。
巻いてある紐はナイロン(笑)。後で巻き直したのでしょう。
まあそのおかげで丈夫なんで許します。
しかし環や金具は本物のようです。
特に穂鞘のデザインが気に入っています。
実は何度か古畳に突き刺したことがありますが、うまくいくと驚くほど簡単に貫通します。
体術がしっかりしていれば鎧ぐらいは突き通せると思います。
今はこの槍、私が時代祭にて甲冑を着て練り歩くときのトレードマークになっています。
そのおかげで行田市忍城祭りの際はご当地英雄、正木丹波守などを演じさせてもらったりもします。
で、今までは練り歩く際は穂鞘をはめたままにしていました。何と言っても先端がかなり鋭いので、観客に怪我でもさせてしまったら、と思ったためです。しかしながらやはり迫力がない。どうも先日の大多喜以来、外したまま歩けないかと思案しました。
とは申せ、一旦外すと、小脇差しの鞘程度の大きさ、手にしているわけにもいかず。
腰に装着しておくのがよいのでしょう。多分、鞘の先端に穴を空けて、根付けなどを通せば穂鞘を外した際、腰に装着できそうです。
されば・・・
やや丈夫で装飾性のある組紐と、根付けか。
根付けは髑髏の彫り物なんていうのも良いな。
昔の侍は一体どのようにしていたのでしょうか?
ご存じの方がいましたら教えてください。
(甲冑仲間の皆様、mixiにて色々なご回答ありがとうございました。)
刃は潰してありますが、触ると切れそうな感じがします。
割と気に入っている穂鞘です。今度から武者行列で外して、腰に装着できるように根付けなどを取り付けてみます。
柄の先の方に付いている飾り。
珍しく穂鞘を抜いた状態で構えた姿、仙台青葉祭りにて
SD111019 碧洲齋