今日は妻が用事があって出かけたため、私が息子を学童まで迎えに行きました。
帰宅するとカレー作り。
カレールーはここ最近我が家で好評の生協カレー中辛。
ルーの香りが他のカレーとは全く違うのです。
そして息子にも野菜を切らせます。
自分で作った料理はことのほか美味しく感じるものです。
食事中、ふと息子が口を開きました。
「あのロボットの男の子さあ・・・お母さんにいらないって言われたら、工場に持って帰って壊すしかないのかな・・・」
先日二人で観た、ハーレイ・ジョエル・オスメント主演の映画「A.I.」についてでした。
「そうだね。パソコンや他のロボットと違って、あの男の子のロボットはリセットできないんだ。だからそのまま一緒にいるか、工場に返して壊すしかないんだ。」
多分息子はAIを見てから、ずっとトゲのように心に引っかかっていた疑問を考えていたに違いありません。
そんな時は特に、私は全神経を集中して向かい合います。
「やっぱりかわいそうだよね。」
「お前だったらどうする?治らない病気のためにずっと病院にいて、偶然に治って家に帰ったらパパとママがロボットの男の子を借りてきて、お前が帰ってきたらその男の子のロボットをほったらかしたら、どうする?」
「ちょっと可哀想」
「そのロボットはお前が帰ってきたらいらなくなるんだよ?工場に返してしまおうか?」
息子はしばらく悩んだ後、
「一緒に暮らそうかな。だって可哀想だもん。工場に返したら壊されちゃうよ。」
「じゃあどうしようか。」
「そうだなぁ・・・やっぱり一緒に暮らすよ。」
「でも多分、お前が病気を治して帰ってきたら、ママはそのロボットのことがきっと嫌いになると思うよ。」
息子もうんうんと強く同意しました(笑)。
「いや、それはよくないよ。仲良く暮らさなきゃ。」
「なんで?」
「う~ん」
「あのロボットの男の子は、死んだら仏様になると思う?」
ちょっと質問を変えてみました。
「え? う~ん。」
しばらく思い悩んだ後、
「本当言うと仏様になって欲しいな・・・でもロボットだし・・・」
「仏様はね。色々なところにいるんだ。いや、そうじゃないな。仏様が色々なものをしているんだ。」
「俺も仏様なの?」
「もちろん。今は仏様がお前をしている。コップも仏様、カレーライスも仏様、おうちもお皿も麦茶も全部仏様なんだ。」
「じゃあ扇風機の風も仏様?」
「もちろんそうだ。今風をしている仏様は明日、誰かの赤ちゃんになっているかも知れないね。」
「全部仏様がしているんだ・・・」
「そう、だからお坊さんが贅沢をしなかったり、ものを大事にするのは仏様を大事にしているからだ。パパもそう努力している。だから食べ物や水をムダにしたり、電気をムダにしたり、誰かにイジワルをするって事は仏様を大事にしないって事なんだ。」
息子も感慨深げに深くうなずきました。
「お米の一つ一つにも仏様がいるんだね・・・そうか・・・」
そこではっと気付きます。
「じゃあ、あのロボットの男の子も仏様だったんだね・・・」
これからも生き物の生死だけでなく、森羅万象の移ろいゆく様にこのような視点を持ち続けていってほしいと思います。
SD110729 碧洲齋