不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

ロシアの行き方 2

***2013/1/21から、在日ロシア大使館ではオンラインによる査証申請書作製サービスを始めたようです。

http://visa.kdmid.ru

2013/1/21 以降は申請書作成に関して、オンラインによる申請書以外は無効になりますので、ご注意ください。

査証申請に必要な書類には変更ありません。

先日、ロシアの観光ビザについてアップすると言っておきながら、慌ただしかったため、書いたまま放置してしまいました。

*ここから先は私の観光ビザ取得経験に基づくものです。従って責任は持てませんのであくまで参考に留めてください。

いかなる用事であれロシアに行くにはまず、ビザ(査証)を取得しなければなりません。

最近の日本人の一般旅行客にはあまり慣れないシロモノだと思います。

なぜなら日本人はかなりの国でビザ無し入国できるからです。

これはどういう事かというと・・・

「日本人はものすごく信用されている」

こと他なりません。

今や崖っぷち・・・ではなかった、頂上に立ちつつある中国などでは非常にキビシイ条件があり、渡航先の中堅国、先進国の審査は慎重かつ厳密にされ、査証取得は一苦労のようですが、日本人であれば本当にカンタンによその国に行けることが多いのです。

故に菊の御紋章が入った旅券は本当に絶大な効力を発揮します。

・・・だから外国に行ったら日本人として品格に欠く言動は厳に慎んでください。・・・

まず、ビザを取得するためには二つの書類を取り寄せなければなりません。

バウチャーと外国人旅行者受入れ確認書です。

私はこの二つはロシアの友人に任せているのですが、普通は旅行代理店で取得してもらうのでしょう。思うに結構高い手数料が取られそうです。

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こちらがバウチャー

・自分の名前、パスポート番号、生年月日、到着日、出発日が間違っていないか確認してください。ロシアの旅行会社の責任者の署名および社印の押印があること。普通は書類の一番最後に押してあります。(サンプルは丸になっています。)

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こちらが外国人旅行者受入れ確認書

こちらはロシア語で書かれているので分かりにくいと思いますが、入出国予定日が2行目に書かれていると思います。要はバウチャーと同じ日付が記載されているかどうかです。

その次、名前、生年月日、パスポートも間違いないか確認します。

そして特に重要なのが以下の点。

・ロシアの旅行会社の責任者の署名および社印の押印があること。普通は書類の一番最後に押してあります。(サンプルは丸になっています)

・リファレンス番号があること。赤丸のところ。リファレンス番号はアルファベット2文字+数字1文字スペース数字6桁です。リファレンス番号はロシア当局に登録された正式な旅行代理店で、この番号を持たない旅行代理店はこの書類を発行できません。これは書類の下の方、旅行代理店の住所と共に記載されています。

ちょっと気になったのは、近年よく使われるようになったオンラインでの予約。ロシアのホテルでもよく見かけます。この場合、旅行代理店を介さずに済みますが、やはり外国人にはそれらの書類を発行してくれるのでしょうか・・・次回行った折に確認してみます。

書類を用意したら、証明写真が1枚必要です。カラー、モノクロどちらでも問題ありません。パスポートのと同じサイズで良いと思います。写真の裏には忘れずにローマ字で名前を書いておきましょう。

当たり前ですが自分の旅券(パスポート)も必要です。パスポートは半年以上、有効期間が必要です。

さて、そこでロシア大使館のHPにアクセスします。

http://www.russia-emb.jp/

トップページ項目の査証から入って、観光ビザの項目をよく読んでください。

そして申請書をダウンロードします。

申請書のリンク

http://www.rusconsul.jp/hp/ru/visa/questionary_usa.pdf

通常、PDFファイルはパソコン上からは記入できないのですが、世はITの時代、とても便利なツールがあります。Foxitという会社から無料ダウンロードできるアプリケーション、Foxit J-Readerですが、これはPDFファイルに書き込むことができます。これなら手書きにする必要がないので、何度でも書き直すことができます。

http://www.foxitsoftware.com/japan/products/reader/reader.php

クロバットリーダーとほぼ同じ機能ですが、こちらは書き込むことができます。起動も若干速い気がします。読んだり閲覧する場合はややアクロバットの方が便利のように思いますが、やはりPDFファイルに書き込めるメリットは大きいでしょう。

Foxit J-Readerを開き、右上、黄色い鉛筆が見えるボタンがテキスト記入ボタンです。これを押してから記入したいところにカーソルを持って行き、クリックすると記入できます。

申請書の場合、10ポイントぐらいが良さそうです。

申請書にはマス目がありますが、左右共にはみ出ていなければマス目は無視しても問題ありません。見栄えが気になる方は半角1スペースぐらいだとちょうどよくなります。ただし文字Iや数字1は1スペースだと詰まってしまいます。また、マス目通りに記入できない項目もありますのでご注意ください。更に公式書類なので、大文字で統一してもよいと思います。以下、説明で記入すべき文は全て英語は大文字にしています。

残念ながら大使館が用意した申請書のサンプルはリンク切れになっています。ネットで探したところ、1つしか見あたりませんでした。今回、私がサンプルとして用意したのでご参考ください。

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1. Nationality : 日本人であればJAPANESEにしてください。

2. Surename : 要するに姓、家族名です。鈴木一郎さんなら「鈴木」に当たります。

3. First name, other names, patronymic names : 日本人であれば下の名前です。

4. Date of birth : 生年月日。全て2桁表示で左から日、月、年になります。

5. Sex : 性別です。

6. Passport No : パスポート番号です。日本のパスポートならアルファベット2文字+数字7文桁になります。

その記入項目の下、左側が発行日、右が失効日です。生年月日と同じで日、月、年各2桁ずつの表記になります。蛇足ですが、日本のパスポートは月のところが英語表記になっています。例えば5月ならMAY。その場合、申請書には05と表記されます。必ず数字の月に変換を忘れないで下さい。

7. Purpose of visit : 渡航目的です。これはFOR SIGHT SEEINGと記入しましょう。

8. Category and type of visa 申請したいビザの種類です。観光であればCOMMON TOURISTになります。

9. Number of entries 1回の入国のみ、複数の入国などありますが、年内に何度も行かない限りはSingle entryがよいでしょう。

10. Date of entry into Russia : 入国予定日です。当然、飛行機が現地空港に到着する日を記入。

11. Date of exit from Russia : 出国予定日です。飛行機が飛び立つ日がよいでしょう。

12. ロシアに行ったことがあるかどうか、です。初めてならNONE、前に行ったことがあるならONCEになります。行ったことがある場合は前回の入出国日も記載しますが、パスポートに押されたスタンプで確認しましょう。

13. ここに旅行代理店名とその住所そして旅行リファレンス番号を記載します。

14. 行き先を記載します。モスクワ近郊などでしたらモスクワでも問題ないと思いますが、大都市を複数行き来する場合は行く予定の大都市は全て記載した方が良さそうです。

15. 保険をかけているか。日本人は申請時には必要なさそうです。もちろん普通の海外旅行同様に出発前までには保険はかけて下さい。

16. パスポートを持たない幼児を連れて行く場合の項目です。該当しなければNOにマークして下さい。

17. 別名を持っているかと言うことですが、普通の日本人であれば基本的には持っていないと思います。

そういう場合はNONEと記載して下さい。

18. 現在の住所、電話番号、メールアドレス。cityとかprefectureを入れると足りなくなると思いますので、私は省きました。最低でも電話番号は入れたいものです。私はメールアドレスも入れられました。

19. 出生地です。

20. 勤務先について。会社名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレスと書いてありますが、万が一全部書ききれなかった場合は電話番号は外さない方が良いと思います。私は何とか全部入れることができました。

21. ロシアに親類がいるかと言うことです。いない場合はやはりNONEと記入。

写真のサイズは概ねパスポートと同じです。その下の日付は同じように日/月/年で。ここまではパソコン入力で行い、最後のサインだけは自筆となります。いったんここで紙に出力して、全項目をチェックした上でサインしましょう。サインしたら証明写真を貼り付けて完了です。

バウチャーと外国人旅行者受入れ確認書と申請書は念のためにコピーを取っておいた方が良いと思います。その3点全てとパスポートは提出してしまい、後日ビザが貼られたパスポートを受け取りに行きます。

さて、申請に行く先は関東圏であれば東京港区にあるロシア大使館になります。郵送は受け付けていないので、本人もしくは代理人が行くことになります。また、受付は平日の09:30から12:30までですので、会社で半休が使える人は旅行に行く以外に申請と受領で計+1日を費やす計算になりますので十分に注意して下さい。(特に有給が少ない方・あ、俺か・爆)

ロシア大使館は地下鉄日比谷線神谷町駅が一番便利です。2番出口になります。

ロシア大使館のHPには徒歩5分とありますが、5分以上はかかりそうです。

そして重要なのはさっさと申請と受領を終えたい方は、必ず受け付け時間前までに行くことです。受け付け開始時間に合せていくと、今回のケースでは10数人いました。多分最後の方は1時間近く待ったと思います。私は2番目で30分弱かかりました。(1番目の方がトラブったので、それもありますが)

受付時間前15分ぐらいがよいと思います。大使館前にはひさしや屋根などはないので、雨が降っていたら大きめの傘があると便利だと思います。入り口は狭いのですが、中に入ると銀行のように順番待ちカード発券機がありますのでそれを引きます。受付窓口は基本3つありますが、受付と受領で一つずつしか使われていないようです。また、日本語が分かるスタッフはどうやら男性が1人いるだけのようなので、必然的に何かトラブルがあると能率が落ちます。なのであらかじめ書類には不備がないようにしましょう。

書類を出して、問題なく受領されれば名刺よりもやや大きい紙片を渡されます。そこにはINVOICEと書かれています。基本的に受領までに2週間の申請者には費用はかかりませんから、気にしないことです。それをもらったらすぐに一番左端の窓口に移ります。そしてそこでそのもらった紙片を渡すと、黄色い長方形の紙と交換されます。それがビザの引換証になります。自分の名前「CLIENT」の項に自分の名前が記載されていること、引き替え日「PICK UP」の項を確認して、絶対になくさないで下さい。

2週間後、またロシア大使館に受け取りに行きます。もちろん受付時間は先ほどと同じ時間になります。

受け取りの時は順番待ちカードは不要で、すぐに一番左端の窓口に並びます。そしてその黄色い紙を出すと、ビザの貼られたパスポートが戻ってきます。一応、内容を確認して下さい。以上でビザ取得が完了します。

何か質問があるときはHPに電話番号とファックス番号が記載されていますので聞いてみるのも良いでしょう。日本語が話せるスタッフがいます。結構親切に対応してくれます。

以上、ロシア観光ビザ取得に関する方法でした。お役に立てられれば幸いです。

SD110721 碧洲齋