不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

エル

昨夜息子には朝方に死ぬだろうと言い渡しておきましたが、予告通り5時過ぎにうちの愛犬が他界しました。

エル、牡、シーズー。享年12歳半。

前日の夕刻にははっきりと次の日の朝に死ぬと直感していましたが、今朝。水を1.2滴、口に垂らした後、少し痙攣してから心臓が止まりました。

身体が弱くなったと感じ始めたのはやはり父が急逝した2007年から。

散歩の距離を縮めたのが2009年から。

今年からは更にその半分、1週間前からはほとんど家の前でした。

今年に入ってからは漏らすこともしばしばでした。

生き物に限らず、諸行無常であることははっきり分かっていますが、やはり生死の境目に立たされると無常さは優しくありません。

ただ、彼が家に来て翌年に母が他界して、私が結婚して家を出て、次に戻ってきたときは小さな赤ん坊がいて、すぐに弟が家を出て、妻と子供がサイパンに行き父と私とエルの3人だけになったと思ったら父が急逝、以後約4年、私の家族とエルで暮らしていました。

多分、エルにとっては他界した私の両親が本当の両親だったのでしょう。

父が亡くなった時は一時立てなくなり、以後、持ち直しましたが、衰弱が目立ってきました。

いままであげていた半生のドッグフードを食べなくなり、フローリングの床をうまく歩けなくなってくると、本当に胸が痛みました。

亡骸は箱に入れ仏壇の前に置き、線香を焚いて息子と二人で読経しました。

今は仏に還り、死んだ私の両親に好きなだけ甘えていると思います。

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SD110723 碧洲齋