不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

命の終わりのこと

ここ2.3ヶ月前から、うちの犬が痩せてきました。

別段病気でもなし、量は減っても食事はする。

思えばもう、12歳半です。

そろそろお迎えという時期に来ています。

目はもうよく見えていません。

耳も遠いです。

トイレも行けないので、雨などで1日以上散歩に行かないと粗相することもあります。

そもそも身体が枯れてきているので、水を飲んでいる割にはその粗相すらしなくなってきています。

身体が枯れてきているためか、ひどかった耳の汚れすらぐっと減りました。

昨年末から、恒例の妻の実家に行くというのも止めています。

もうペットホテルに預けられるような状態ではありません。

一日中、寝ています。

ただ、家族がいるときは、じっと大きな黒い目で見つめています。

多分よく見えていないのでしょうが、最後の時が来るまで見ていたいのでしょう。

今までもそうでした。

そんな時はなるべく話しかけるようにしています。

フローリングの床を歩くときは踏ん張りが利かないので辛そうです。

それでも幸い水や食事はします。

弟を除けば私の両親を知っている、唯一の家族です。

しかしそれでも自然に逆らうことはできません。

母が死んだときも、父が死んだときも、大きい黒い目でいつもじっと見てくれていました。

元々吠えることが少ない静かな犬だったので、ことさら訴えるものがあります。

さっきまで私の背後で私をじっと見ていました。

残り少なくなった時間を、大切にしていきたいと思います。

我が家の愛犬 エル

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SD110608 碧洲齋