不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

国家というものは・・・

国家について、論語孔子がなかなかよいことを言っています。

弟子から国家に必要なものは何かと聞かれたとき、このように述べています。

「信・食・兵」

つまり信義、食糧、軍備です。

意外に思うかも知れませんが、孔子だって戦うときは戦うのです。

で、弟子に聞かれます。どうしても一つ削らねばならないときはどれか。

孔子は言います。

「兵(軍備)だ」

弟子は更に食い下がります。もう一つ削るとしたら・・・。

孔子は平然として言います。

「食(食糧)だ」

今で言うなら国民の食糧を含む資源でしょうか。

そして孔子は付け加えます。

「人は信義を守るために生きている、信義がなかったら生きていても仕方がない。だから次に削ってよいのは食なのだ」

個人的にこの下りは非常に好きな文です。

そして理性ある国家はこのようでありたいと思っています。

孔子の母国ではどのように捉えているのか知りませんが)

学校で勉強したと思いますが、国家であるためには基本的に三つのものが揃っている必要があります。

すなわち

・領土

・国民

・主権

の三つです。

たとえば

・領土

・国民

だけなら「植民地」になります。最近は植民地というもの自体が国連で認められていないので、一応ほとんど全てのの国が独立していることになっています。

・国民

・主権

だけならパレスチナに代表される離散民族などです。

色々ありますが、その昔はユダヤ人もそうでしたし、クルド人などもそうです。

私的にはチベットなども同じカテゴリーに入ると思います。

さて、第二次世界大戦後、植民地が次々に独立していき、地球上にはほとんどかすめ取れる領土はなくなりました。

今残っている一番大きい領土は南極だけです。

まあこれは環境的にどこの国がかすめ取っても何かができるような場所ではないので、取らないだけかも知れません。

ともあれ今それぞれの国にある領土は基本的には増やせません。

国が分裂することはあるでしょう。

そして重要なことがあります。

それは今ある領土をどれだけ大切にするか。

綿密に調べ、深く研究し、知恵を尽くし、今あるだけの土地を汚染させずして豊かにする。

土地を汚すことは死活問題です。

何せもう、昔のように民族移動ができないのですから。

また、現代科学では先の大震災でも分かるように、一国家を越えた問題になり、ひいては地球規模の問題になります。

また、人口が増えてきているので、土地を痛めないように豊かにしていかねばなりません。

これができないと人類は滅びます。

とはいえこれは人類にできないことだとは思いませんが、一国家で処理できる問題ではなくなってきた感があります。

一つの解決策は宇宙開発であることは言うまでもありませんが、地球一つをうまくまとめられない人類が宇宙に進出したところで結局、同じ問題が蒸し返してくると思います。

なので、本格的な宇宙開発の前にこの大きな業を乗り越えていきたいところです。

領土が拡張できない以上、現代では伸ばせる資源は「国民」の資質だけになりました。

つまり国民全体を豊かにし、知性が低かったり、民度が低かったりすることは領土と両輪の資源の一つをだめにしてしまいます。

領土もそうですが、人間の場合もバランスが必要です。

金だけでもだめ、権威だけでもだめ、快楽だけでもだめ、地球上で一番飼い慣らすのが難しい人類です。

何でこんな小難しいことを書いているのかと言えば、ガリガリ亡者が自分たちの土地を汚し尽くし、自らも害するようになってきたらその国は相当アンバランスであると言えるなぁ~、と某隣国を見て思ったのでした。

本当にもうヤバイような気がします。

近代国家ではもう許容範囲を超えているほどにアンバランスだと思います。

でもあのように大きな国家が倒れたら、その衝撃は大きく長く日本を襲うと考えられます。

また、そうなったらなったでまた別のややこしい問題が噴出してくるとも思います。

今、ネットで騒いでいるネトウヨと呼ばれている皆さんを見ていると本当にお気楽だなと思います。

ただし、そうなって、困難を乗り切った場合(そうならなくてもですが)、日本がまた不死鳥の如く甦る公算は非常に大きいように思います。

英国の例でもそうですが、結局、民度が高く、バランスの取れた国家が最後に笑うのです。

日本の場合、欧州のようにせめぎ合うほど同格の国が全くないというのも有利ですが。

あ~何書いているんだろ、俺。

SD110628 碧洲齋