不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

いじめのこと(3)

中学校に入学すると皆、真剣な姿勢になったようです。

私のいた中学校は県内でも有数の優秀模範中学校で、毎年市内大会ではほぼ全ての運動部は優勝してますし、テレビに出てくるような模範的な不良は少なくとも学校にはいませんでした。

スポーツの推薦で有名私立高校などに行く人も多かったようです。

逆に言えばそれだけ先生の締め付けが厳しく、ナチの強制収容所と仲間と揶揄していました。

1年生の後半だったでしょうか。

クラスに学年一の問題女子生徒がいました。

そいつが何人かとつるんで掃除をボイコットしたのです。

班長として何度言っても聞かないので一度平手打ちにしました(今顧みても悪いとは思いませんね)。

ちなみに先生も苦笑いされて軽く私を注意したただけでした。(私はこっちの方を恐れていましたし、この中学校ではきわめて珍しいケース)

しかしその後、クラスの女子の多くと険悪になりました。

こういう時、男は男に付くものだと期待していたのですが、色気づき始めたのか、女子の味方をする男が増え、クラスで孤立しました。

まあ、いじめと言うほど深刻ではなかったかも知れません。

2年生は珍しく趣味の合うクラスメートが10人近くいたこともあり、いじめには遭いませんでしたが、当時この中学校では「運動部でなければ人ではない」みたいな風潮があったので、幽霊科学部員だった私や仲間たちはびくびくしていたものでした。

3年生になると、クラスに2人、いじめの対象になった人がいました。

1人は天才くん。彼は県内最高峰の高校に進学しましたが、とにかくよく勉強ができるヤツでした。

授業中に居眠りしていても指されると普通にこたえます。

ただ見かけはゴジラみたいだったのでそのギャップがおもしろかったです。

また、話すときはものすごくつばを飛ばすのでそれで女子などに嫌われたのだと思います。

ただ非常に腹が立ったのは日頃から彼をバカにしているのに、分からないことがあると卑屈になって聞きに来ること。

私はいつも仲がよかったのでよく勉強について聞いていましたが、そういう卑劣な人間を見るとかなり気分が悪くなりました。

もう1人は当時読売ジャイアンツで活躍していたクロマティー選手によく似たクラスメート。

普通の日本人ですが、顔つきが黒人みたいな感じだったので、それで嫌われていたようでした。

私はこの2人と普通に接していました。

何度か普通にしていることについてクラスメートから揶揄されたことがありました。

私は逆に卑屈さ、情けなさについて反撃した記憶があります。

多分それからターゲット(?)が変わったのだと思いますが、「中学生日記」に出てくるような典型的ないじめが始まりました。

机にマジックで落書きされてしかも蹴倒されていたり。

一度は女子がそれをしている現場に居合わせてしまい、相手に逆ギレされたり。

鞄や教科書にもいたずらされました。

男子生徒からも暴力を何度も振られました。

中学校3年生にもなると体力の差はいかんともしがたく、日頃から鍛えに鍛え抜いている連中の方が遙かに分がありました。

こればかりは悔しくて泣かされました。(かなり痛かったし)

中学校に入ってから、2人のアニメのヒーローに着目しました。

1人は「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」です。

ちょうど1年生ぐらいの時に映画化されました。

以後、ずっと心の中で輝き続けてきたヒーローでした。

今でも私のヒーローとして、HPに語録を掲載しています。

http://fudoan.cdx.jp/sanbun/sanbun_index.htm#arcadia

それと多分2年生の終わり頃だったと思いますが、書店に販売されていた「北斗の拳 第1巻」がとても衝撃的だった気がします。

前後してブルースリーの映画も見た気がします。

それで余計に感化されたのかも知れません。

3年生ぐらいからトレーニングを始めました。

たまたま家にあった、空手の本を見て1人でちょっと練習してみたりしました。

まさにミスターミヤギに出会う前のダニエルさん状態でした(笑)。

その頃から実用書の類も読むようになりました。

ちなみに私はこの頃はサバイバルゲームをよくやっていたので、強くなかったとは言え、別段ヒョロヒョロだったとか、メタボとかそういう感じではありませんでした。

ごくごく普通の少年だったと思います。まあそれだけに学校でボコボコにされると本当に悔しかったですね。

実は私のいた中学校は柔道部がとんでもなく強い学校でした。

柔道部に併設していたレスリングも強く、海外にも遠征に行ったほどだとか。

そしてその顧問が3年間ずっと体育の先生でした。

体育の授業は概して好きではありませんでしたが、例外的に柔道は好きだった気がします。

筋力やスピードなどは運動部には到底かないませんでしたが、時々あっさりと勝ったりします。

アタマのひねり方とか、柔軟な考え方が勝利したときでした。

格闘技は意外にイケると思ったりしました。

それを見ていたのでしょう。体育の先生が2年生になるかならないかぐらいまで、時々柔道部に勧誘してくれました。

私はどうしても体育会系が好きではなかったので辞退していましたが。

多分、そんなこともあって格闘技なるものに何となく興味を引かれたのだと思います。

結局いじめは卒業するまで続きましたが、学業が忙しいのも相まって、後半はそれほど激化しなかったと思います。

(卒業時に問題を起こしたくなかったのだと思います、情けない)

高校に入ると格闘技仲間ができ、彼らと共にトレーニングをしたり書物を読んだり、格闘技の訓練をしたりしました。

少数派であることには違いありませんでしたが、とりあえずいじめはなくなりました。

そして3学期、私は今の流派に入門しました。その下りは私のHPに書いてある通りです。

http://fudoan.cdx.jp/bugei/fudoan_dojo/issun.htm

SD110601 碧洲齋