不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

節電のこと

実は我が家は建築当初から一昨年ぐらいまで、電力契約は50アンペア+三相交流の契約でした。

理由は父が映画会社に勤めていて、時折自宅でロケ撮影が行われていたためです。

映画と言っても学校の体育館で観させられたような交通安全や道徳問題などの、いわゆる教育映画です。

とはいえ映画のロケですから普通の自宅に大人が30人ぐらいどやどやとやってきて、照明を煌々と付けたり、大型ファンを回したり、カメラやその他機材を動かしたりするために大型電力をいつでも使えるようにしていたのでした。

従ってごく最近まで、我が家ではブレーカーが落ちる、という現象を見たことがありませんでした。

各室のエアコン(計4台)を稼働させ、炊飯器を動かし、テレビを見ていてもブレーカーは作動しませんでした。

一度だけ、その他に電子レンジと何かを動かしたらブレーカーが落ちたことがあります。

それが唯一のケースだったので良く覚えています。

で、父が死んでから私がずっと電気代を支払っていたのですが、あまり契約内容などには目も通さず、数年した頃会社の同僚と電気代の話が上がった際、うちだけ異常に高いことに気づきました。

そして思い返すと、我が家の電力形態は普通の一般家庭と違うと言うことを思いだし、すぐさま電力会社に電話しました。

オペレーター曰く、お宅は町工場でもやっていらっしゃるんですか?

すぐさま家庭用で一般的な30アンペアに替えてもらいました。

ガクッと安くなったので感動しました。

今まで多分、一般家庭の倍近い金額を支払っていたのだと思います。

すると今までの無駄遣いが露わに。しょっちゅうブレーカーが落ちます。

たとえば炊飯器と食洗機とテレビと電子レンジを同時に使うとまずアウト。

ずらして使わねばなりません。

幸いうちはエアコンをほとんど使わないので、エアコンに関しては心配することはないのですが、なかなかパワーコントロールは難しいですね。

とはいえこのような大災害に在って、電力を見直すというのはとても良いことだと考えています。

今までの浪費贅沢を見直し、必要な時に必要な電力を必要な分だけを使うというスタンスを維持していきたいところです。

災害があって初めて、節電することの意義が具体的に見えてきたことは、贅沢が過ぎてきた日本人には良いことだったのではないかと思います。

そしてそれは亡くなってしまった方々への供養にもなると思うのです。

SD110409 碧洲齋