不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

我が家の庭

我が家は一般的な都市近郊の住宅に比べると庭が広く、木々が覆い茂っています。

生まれたときは市内の別の家でしたが、やはり庭があり、木々が青々としていたのを覚えています。

今の家の樹木のうち、大きなものは前の家から移し換えたものです。

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母は非常に園芸というか花や草木が好きで、家事や社交ダンスやその他趣味で忙しかったにもかかわらず、よく庭いじりをしていました。

父も母が死んだ後、黙々と庭の手入れをしていました。

母が一番好きだった花、バラ

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母と父が死んでから、時折、私が手入れをします。

元々、園芸には全く興味ありませんが、手入れをしてくると興味や関心、愛着が沸いてくるんですね。

やっていると、今は亡き父母がどんなことを想いながら庭の手入れをしていたのか、とてもよく分かるようになってきました。

家のこと、家族のこと、自然のこと、色々です。

本当に手に取るように分かるというか、心が接するような気持ちになります。

庭の樹木の選定はよく考えられていると感心します。

1年中、必ずどこかで花が咲いています。

私が知っているのはごく一部ですが、そのうち覚えたいと思っています。

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庭には桜が2種類あり、どちらもソメイヨシノではありません。

一つは山桜のようですが、もう一つは分かりません。

ソメイヨシノの花びらが散り終えた頃が満開になります。

世のソメイヨシノが散り終えた頃に満開になるなど、母はそういうところで見栄を出したのでしょうか。

風流な見栄だと思いました。

この桜は前の家ができたときに植えられたものですから、樹齢45年弱ぐらいでしょうか。

どちらの家でも居間の正面に面していました。

ずっと我が家を見てきたのだと思います。

我が家に残っていた最後の白樺は昨年の猛暑でとうとう枯れてしまいました。

もともと暑いところには向いていないようです。

近所ではほとんど見られない、非常に珍しい樹木だっただけに残念でなりません。

そういえば白樺は今上皇后陛下美智子様の御印でした。面目ない。

白樺の白が映えなくなると、必然的にユキヤナギの白だけが我が家の庭では目立ってきます。

道路に面していることもあって、ウォーキングをしている方たちの目を楽しませているようです。

キンモクセイもあります。

ただ気のせいか、最近は昔ほどよい匂いを出しません。

聞くところによると、大気や土壌が汚染されるとあの匂いが出なくなってくるのだとか。

確かに自動車の数も増えましたし、土壌もきれいだとは言えませんからね。

そのうち土壌改良でもやってみようと思います。

昨年から始めた自家製梅ジュース。

今年もやります。(うまさで言うとやはり市販の紀州梅の方が断然うまかったです、はい)

しかし我が家の梅も枯死しつつあるので、新しい方の梅をもっと繁栄させねばならないと思っています。

柚子の大木?もあります。

壁というか生け垣というか、そんな感じで生えています。

近くによると確かに柚子のいい香りがしますが、実は希にしか生りません。

柚の木ってまっすぐに生えて、細い割には硬いのですが、調べたら成長は遅いのだそうです。

うちの柚子は何年ものなんでしょう。

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この時期になると咲き出す、玄関横の牡丹。本当にデカいです。

芍薬だったか牡丹だったか、しばらく名前がこんがらがっていましたが、先日調べたら、よく牡丹は芍薬に接ぎ木するのだそうです。

たぶんそれは母が芍薬に牡丹を接ぎ木して、それを私に説明したので、私がうろ覚えだったのだと思います。

他にもまだあるのですが、未だ生態がよく分からないものもあるので、もっと勉強してからまた、紹介したいと思います。

自然に接するというのはやはり重要です。

いつ何が咲くか、どうやって咲くのか、こんな事が分からずに人は自然のの一部であり得ません。

土の匂いを忘れた人間はどこに行ってしまうのでしょうか。そんな風に思います。

SD110421 碧洲齋