先日、奥日光湯元温泉に行ったことは先日のブログに書きましたが、その中で今ひとつ気に留めたことがありました。
ご存じの通り、奥日光に行くにはいろは坂を登らねばなりません。
今まで何度も車で上ってきましたが、今回は何故かその「いろはにほへと」が気になりました。
それで帰宅してからじっくりと意味を調べてみました。
考えてみると1文字ずつ使って短からぬ文を構成するなど、誰が考えたのでしょうか。
正直言って作った方は天才だと思います
いろは歌は大体1000年ぐらい前に作られたものだと言われていますから、平安時代末期でしょうか。
仏の信心に篤い人が祈りを込めて考えたのでしょうか。
この作者が無名というのも好感が持てます。
多くの方は学校などで学び、うろ覚えでは知っていると思いますが、ぜひ正確な表記をご紹介したいと思います。
【ひらがな】
いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす(ん)
【漢字】
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰そ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
【意訳】(碧洲齋による)
形あるものは愛おしくも、滅ぶさだめにある。
現世に在って森羅万象は、永遠たりえぬ。
この相対世界の苦しみを、ここに徹すれば、
儚い幻想世界に惑わされず、悟りが開ける。
意訳は今し方私が即興で書き上げたものなので、幾分の稚拙さはご容赦ください。ネット上ではどうにもしっくりくるような適訳がなかったものですから。
これを読むと禅に傾倒している自分にはなかなか奥が深いように思いました。
人がこのようであったならば、争い事などももっと減るのかなと「幻想」した次第です。
SD110303 碧洲齋