不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

震災 心才

まず、今回の大震災で災害に遭われた方、亡くなった方々に深く哀悼の意を捧げます。 私は中学の終わりぐらいから防災というかサバイバルというか、そのようなものに興味を持ち、高校1年生ぐらいからずっと今に至るまで防災に関しては備えてきました。もう20年以上になります。そこでふと思ったことなど。 1.防災は忘才なれば意味がなし 阪神大震災の時でしたか、防災用品が売り切れになりましたが、3ヶ月も過ぎると防災グッズ熱は下がってきました。防災用品コーナーも半年後には縮小していましたね。防災は起こる前に備えて、起こった後は早めに忘れる、これが一番精神衛生的にもお勧めです。地震が起こってから水やらライトやらわさわさと買い込みに行くぐらいなら、はじめから窮乏を体験してみてはいかがでしょうか。物資が腐るほどたんまりある日本です。震災を受けた場所でなければ飢え死にする前にはほぼ間違いなくなにがしかの手が打たれます。ここは日本です。発展途上国じゃありません。普通に生活していれば十分すぎるぐらい物資はあるのです。関東地方ではガソリンの買い占めや食料の買い占めなどをしている方が大量に発生してますが、これは通常の流通を阻害するだけでなく、被災地にも迷惑をかけるだけです。多くの人に迷惑なだけでなく、賢さとは180度逆を行く行動です。防災は水を飲んだり空気を吸ったりするように行いましょう。 2.ITは忍耐なくして愛底ぞ IT時代ならではですが、善意であれ悪意であれ、無用な通信をするのは必要な通信を阻害します。事態がある程度収束するまで忍耐するというのも、相手を思いやる愛情の一つではないでしょうか。私が観るにどうも携帯を持ってからというもの、忍耐するという単語がかなりおろそかになってきている様相これあり。いつでもどこでも何でも知ることができるというのが本当に便利なのかどうか、私はいつも疑ってかかります。なくてもよいこと、知らなくても良いことも見極める能力を持ちたいところです。生きていればやがて連絡するし、本当に不幸なことに亡くなってしまったらこれも慌てることなく腹をくくることも重要な気がします。(少し語弊がありますが、要するに本当に家族や親族だけはスムーズに連絡が取れるようにするために、それ以外の人が通信を控えるという意味です) 3.できぬからなさねばならぬなにごとも 「これ」がないと「できない」、「あれ」がないと「困る」。人間の知恵が目減りしている証拠です。居ながらにして世界の隅々までのことを知ることができ、交流ができるようになってから、かなり知恵がなくなってきたように思います。我が家で言うと火の付け方とナイフの使い方が超基本。これができなければ原始時代からの人間の知恵をやめたことと定義しています。でその上でないものをどうするかとか、なかったらどうするかなどと教育します(というほど偉そうな教育をしているわけではありませんけど、意識させています)。物質社会に飲み込まれると、知恵が下がりそうな、そんな気がします。故に何がどのくらい、何故必要なのか、そういう観極めることこそが重要なことだと思っています。何でもかんでもガソリンスタンドに列をなしている人を見ていると可哀想になります。 4.義寛偽患 何はともあれ非常時です。日頃反日を叫んでいる国からであっても、ありがたく頂きたいところです。(大体やってくる人がそうだとは限りませんし)特に反日としてよく知られている今をときめく某国は義挙に関してはなかなか義理堅いところがあります。私が実際に行ってそう感じました。しかし私としては許せない行為が幾つか。一つはどさくさに紛れて盗みを働く輩。一つは同じくどさくさに紛れて支持率を上げようとする輩。前者が及ぼす害は微々たるものですが、後者はそうではありません。具体的に言います。事故後、すぐに首相が視察する必要性があったのか、かなり疑問です。その後、視察したところが爆発してしまいました。首相が来ると言うことは、安全性の確認やら準備やらしたはずです。かなり余計な手間を取らせています。一度目ならまだしも2度も視察をしようとするのはどう考えてもパフォーマンスでしょう。かなり許せません。 5.微行美光 被災していない人で何ができるか。お金持ちは大金を、収入の少ない人は小銭でも募金をするという行為はとても尊い行為だと思います。聖書にもありますが、日中、金持ちが金貨がたくさん入った袋を神殿の喜捨箱に放り投げた夕刻、老婆が財布の袋を逆さまにして喜捨箱に入れたたった1枚の銅貨を見て、イエスは「今日、この人が一番多く喜捨した」と言っています。これはとても真理を突いていると思います。実際には私たちはそんなことできませんが、微行であっても私心がなければそれは美しい光になると思います。 とりあえずそんなところで一端筆を置きます。 SD110315 碧洲齋