不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

癒文のこと

千の風になって」という歌を知らない人はいないと思います。

2007年だったと思いますが、秋川雅史さんが歌い、大ヒットしました。

今聴いてもじんと来るものがあります。

歳は取りたくありませんが、歳を取ってきていいと思ったことは、大したことないことを言っても、若造の時よりもずっと重みが増してきたと言うこと(笑)、結構簡単に感動できるようになってきたこと(涙もろいとも言いますね)です。

さてこの「千の風になって」ですが、諸説あるものの、アメリメリーランド州 ボルティモアの主婦、Mary Elizabeth Fryeが1932年頃に書いたとする説が有力のようです。

彼女の友人の娘(ユダヤ人)がドイツにいる母の元に戻れず、悲嘆に暮れていた為に茶色の紙袋に書いて贈ったものということです。

そしてそれが人伝てで広まったという説が有力です。

オリジナルと思われる原文がアメリカのサイトで紹介されていました。

文学などは特にそうですが、原文に接するのが一番だと思います。

私は中国哲学が大好きな割には中国語は読めないのですが(ただ今勉強中!)、白文を読むとその雰囲気がひしひしと伝わってきます。

幸い英文ならある程度フィーリングが感じることができます。

この「千の風になって」はかなり感銘したので、自分なりにオリジナルの詩をちょっと訳してみました。

まず原文から

Do not stand at my grave and weep,

I am not there, I do not sleep.

I am in a thousand winds that blow,

I am the softly falling snow.

I am the gentle showers of rain,

I am the fields of ripening grain.

I am in the morning hush,

I am in the graceful rush

Of beautiful birds in circling flight,

I am the starshine of the night.

I am in the flowers that bloom,

I am in a quiet room.

I am in the birds that sing,

I am in each lovely thing.

Do not stand at my grave and cry,

I am not there. I do not die.

私の墓の前で嘆かないでください。

そこに私はいません。眠ってはいないのですから。

私は天翔る千の風の中にいます。

私は優しく降る雪の中にいます。

私は穏やかな慈雨の中にいます。

私は穀物を育む畑の中にいます。

私は明け方の静寂の中にいます。

私は優雅に空舞う、美しい鳥たちの中にいます。

私は夜の星明かりの中にいます。

私は咲き乱れる花の中にいます。

私は物静かな部屋の中にいます。

私は鳥のさえずりの中にいます。

私は全ての美しさの中にいます。

だから私の墓の前で泣かないでください。

そこに私はいません。死んではいないのですから。

私にはあまり文学的センスがないのでこれが精一杯です。

プロの方、随分迷訳ですが、大目に見てやってください。

今歌われているのとはちょっと違いますね。

何で戦争が起きるのでしょうか。

なんて、小学校1年生になる前からずっと、考えてきたように思います。

今、父親になって思うのは、本当に戦争はよからぬ事です。

リクツやイデオロギーじゃありません。

本当にいけないことなのです。

私は日本によそから不良国家がせめてきたら誠心誠意従軍して戦います。

日本で言えば、イケメンパイロットが出撃するかも知れません。

試作機のくせにやたらとカッコよく、戦局ががらりと変える兵器が出るかも知れません。

二物も三物も持っているカリスマ司令官がいるかも知れません。

それでも戦争はマジいけないことなのです。

そう思わないごくごく一部の、権力を持った愚か者のために、罪もない多くの市民が犠牲になります。

美しい逸話なんか要りませんし、心打たれる文学がなくてもいいので戦争を止めてほしいと思います。

そんなことを思いながら、毎日お不動様にお経を上げています。

SD110309 碧洲齋