不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

おまんら、ゆるさんぜよ!

昨日は豪州の武友とその家族を連れて、富士山に行ってきました。

事前にはどこに行くのか全く決めていませんでしたが、ともあれ富士山を満喫したいと言うことで富士五湖巡りに。

スタート地点は山中湖にするつもりだったので、まずは山中湖に向かいました。

途中、道の駅で情報収集。かつては富士山頂にあったレーダー設備がそこに移築され、博物館となっていました。

時間がなかったので中には入りませんでしたが、次回は入ってみたいと思います。

観光ポイントについて何も分からなかったので、観光案内所のお姉さんに尋ねることに・・・。

「ほがなことも知らんがか。おまんら、ゆるさんぜよ。」

(そんなこともしらないのか。おまえたち、ゆるさないよ。)

・・・とは言われませんでしたが、南野陽子に檄似の観光案内嬢でした。

南野陽子は別段私の好みではありませんが、ほくろの位置を含めて結構似ていたのでまじまじと見つめてしまった次第です)

山中湖、東端が凍結していました。東側1/3以上は凍結していたでしょうか。

すでに結構人がいて、釣りをしていた人もいました。

こんな広い湖の上を歩いたのはさすがに初めてです。

いやいやマジ寒いの何のって。マイナス3度ぐらいでしょうか。

あまりにも寒かったので、早速体術の練習(笑)。

ん~昔に比べて氷上の動きが滑らかになったようです。ほとんど滑らずに突きや蹴り、移動ができているようです。

コツが分かると体術の重心移動がスムーズになります。

気持ち汗ばむ程度までやりましたが、おもしろいですよ。

豪州の友人家族は大はしゃぎ。彼らの故郷、豪州クィーンズランド州は現在37度ぐらい。

山中湖とは40度ぐらいの気温差があります。

そしてそびえ立つ富士山。私を含めて皆、富士山を見上げるたびにため息が出ました。

私も何度も富士山麓に来ていますが、やはり冬の富士山は本当にすばらしい。

感傷にふけっていました・・・

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と、そのとき、

「ピシッ!パキッ!」

という音が・・・

9時を過ぎた頃でしたが、気温が上がってきたせいか、氷が割れはじめてきました。

あれ本当に怖いですよ。アニメに出てくるピンチの時みたいに、足下の氷に一瞬でひびが入るんですから。

ま、ひびはかろうじて目視ができる程度で氷自体厚いので、すぐどうなるというものではありませんが、やっぱり一瞬身がすくむぐらいには怖かったですね。ちょうど消防車が巡回に来て、湖上から退去するようアナウンスをはじめました。

言われるまでもなく私たちは早々に立ち去りました・・・。

次に北口浅間神社、やっぱり富士山の神社というとここですね。荘厳な感じが違います。

観光案内所では新荒山神社とか言うところも案内してました。何でもそこの奥社に詣でると金運が高まるとか。宝くじに当たった人はここに来ていたとか言うことで、最近にわかに人気が出てきた神社だそうです。そういえば前に行ったことがあるな。きれいなカラー刷りのパンフレットまでできていましたが、いやいや、人間の欲の面は何とも醜く厚いものですな。キレイなパンフレットを見て苦笑するしかありませんでした。

次に忍野八海

時間の関係で神社と寺に行っただけです。

寺は天台宗で東円寺という、たぶんここらで一番古いという寺に行きました。

そこでは天台宗の座禅の道場も併設されていて、ちょうど団体さんがそれを終えたところでした。

住職もいらっしゃったので色々話を聞くことができました。

現地で一番古い観音菩薩像と、もともと富士山頂にあった不動明王像がありました。

それぞれ鎌倉時代室町時代に作られたものですが、やはり風格が違います。

ありがたく拝観。

忍野八海の由来などを教えてもらいました。

なんでも忍野八海は北斗七星になぞらえて定められた池と言うことですが、つい「もしやご住職の名前はリュウケンさまでは」とツッコミたくなりました(爆)。

その後、腹が減ったので「ほうとう」を食べました。堪能したようです。

次に河口湖。一番東端に和菓子屋さんがあります。

富士菓匠 金多留満 河口湖畔店ですが、そこの『はまなし』という和菓子がお勧めです。

試食もできます。

この和菓子、畏れ多くも今上天皇陛下が以前、お立ち寄りの際にお買い求めになり、召し上がったとのこと。

さすが陛下のお目に止まった菓子だけあって絶品です。

河口湖から西湖に向かい、西湖の西端にある公園では櫓などに水を撒いて凍らせて作った樹氷がいくつかあり、その奇観をを楽しみました。

寒いとこんな巨大な氷も融けずにそのまま成長するんですね。驚きました。

精進湖は本当に小さな湖でしたがそこから見える富士山はやはりきれいでした。

しかし何と言っても一番美しい富士山が見えるのは本栖湖の富士山。そう、1000円札の裏側の風景にもなっている場所です。

今回、ちょうど太陽を追って東から西に移動したので、どの湖からも富士山がきれいでしたが、本栖湖が最高によかったです。

ちなみに昨日は雲がほとんどありませんでした。

武友はおおはしゃぎで1000円札を手に、写真に写りました。

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そしてまた一度山中湖に向かいました。

ダイヤモンド富士を見るためです。

ダイヤモンド富士とは山頂に太陽が沈む現象ですが、この日は山頂ではなく、やや南側です。

(事前に場所を調べておけばよかった・・・)

それでも日が沈む一瞬は本当に美しい風景でした。

三脚の上にカメラを構えた人たちが大勢いました。隣の老人に聞くと、板橋区からやってきたとのこと。

年に何度も来るそうです。富士山に取り付かれて長い、と自分で言っていましたが、この風景を見ると理解できます。

17時頃、帰路に就きました。

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富士山を見ていると、何となく安心します。

日本人は大昔から、この国で最も高い山ともっとも美しい山は同じであることが当然の事として営んできました。

世界的にそれがイコールである国は少ないと思います。

また、富士山がかなり美しい山であることは世界に知られている事実でもあります。

富士山を見ることによって、我が身に流れる古代より脈々と受け継がれてきた日本人の血に思いを馳せ、この困難な時代を乗り切っていきたいところです。

SD110130 碧洲齋