不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

BUSHIDOと武士道

新渡戸稲造氏の著書「BUSHIDO」を、なにげに読んでいます。先日米公人同門が買ってくれた禅関係の洋書をいきなり読むのはちょっと大変かと思い、慣らすために読み始めました。洋書というのは私でも和書よりも数倍の時間が掛かることがあります。なので、よほど興味が湧かない限りはあまり読もうとは思いませんでした。 が今回、BUSHIDOや同門が買ってきてくれたZEN関係の書籍をパラパラとめくると、意外にも昔よりは難解に感じませんでした。思わず「オオッ!ちょっとは精進しているじゃん!」と素直に喜びを噛みしめてしまいました(笑)。 それにしてもやっぱりすごい、新渡戸様。どこからそんな単語を拾ってきたのだろうと言うぐらい、レアでニアピンな単語を使っています。しかも何と言っても生まれは江戸時代、本物の武家の生まれなので、書いてあること自体にリアリティがあります。読むうちに私の数々の駄訳を思い出し、汗顔の極みです。 当時というか戦前ぐらいまでの日本人の英文著書は非常に参考になります。なぜなら今のようによく知られた日本の単語があまりないことと、日本に対する理解が低く、その辺りまで掘り下げて書かねばならないからです。また、日本人が書いたものですから、当然外国人の見解よりもずっと正確です。日本語がどんなに良くできる外国人も、多少英語が拙い日本人(種類によりけりですが)には劣ると考えています。 ま、ともあれ彼の語学に対する勉強熱心さはもの凄いものがあります。今のようにネットでも図書館でも街中でも英語教材が有り余っている時代ではないときに、あそこまで英語が使えるようになるのは至難の業と言えます。やっぱり熱意と努力なんでしょうか。言いたくないですが、どちらも私には欠けています。 実は今年から、中国語とロシア語を勉強しようと画策しています。(あ、言っちゃった)中国語はビジネス、社内でやむなく、ロシア語は完全に私の趣味で(親友がロシア人なので)。この二つは日常会話程度ができればいいと考えていますが、私が英語をはじめたときに比べると極めて進んだ学習環境下にあって、どのくらい精進できるか興味があるところです。何はともあれ楽しみながら、でしょうか。
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新渡戸稲造大先生 SD110112 碧洲齋