不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

ドラゴンへの道

先日、武友の一人からVHSのブルースリー映画全作をもらいました。

ちょうど「ドラゴンへの道」が見たく、毎週ビデオレンタルに行ってはいたのですが、いつも借りられており、余計に見たいと思っていました。

早速見たのが「ドラゴンへの道」。ちょっと思ったことを幾つか。

・細かいことですが、旧正月の時、ヒロインは中国式の挨拶をしていました。先日来日していた中国人研修生曰く、今はそういう挨拶をする人はヤクザか武道家だけだとのこと。よき伝統が失われつつありますな。私はどうしても中国式の挨拶をしてみたい。(もし、このまま予定通り中国に出張せねばならない場合は!)

・中華料理店というのは昔から世界各国、津々浦々まで見ることができます。ローマにもこの頃から中華料理店って結構あったのでしょうか。

・この話ではローマのマフィアが善良な中華料理店に絡んできたので、香港から弁護士を呼ぶように依頼をかけたという設定ですが、呼ぶなら現地の弁護士の方がいいんじゃないでしょうか。わざわざ呼び寄せる辺り、中国人たちが現地の習慣に溶け込まないという問題を露呈しているように思います。

・ローマって銃規制はゆるくないと思うんですが・・・簡単に買えるんですか?

・やはり空手の方が世界的によく知られていたんですね。流行った順に空手ブーム、カンフーブーム、ニンジャブームという波なのだそうです。西洋のニンジャが奇声を発するのは前に流行ったカンフーブームの名残です。日本-中国-日本という順番ですが、欧米人には分かりにくかったのかも知れません。

・ナイフで木を削って投げ矢を作っていましたが、あれはちょっと無理でしょう。

・海外に住んでいる、もしくは行く中国人はほぼ全員、英語名を持っています。どうやって決めるのか分からないのですが、私には欧米人コンプレックスを持っているように思います。その点、日本人は発音しにくくても普通は英語名は持っていませんね。

(数日前、中国政府は姓名の順での英語表記を推奨するという記事を見ましたが、これはアジア全体でそのようにすべきです。私も会社や私用でもよほどのことがない限りそのように表記しています。アジア人が欧米人の習慣に迎合する必要はないと思います。両方の表記方法があって然りだと思っています)

・やはり華麗すぎるブルースリーの足技!言うことありません。今でも彼を上回る足さばきを持つ格闘技家はいないように思います。

・チャックノリスとの決闘も素晴らしかった。映画の中での戦いですが、何度観ても飽きません。

私は高校生時代はジークンドーにもあこがれました。近所に道場があったら多分、そっちに行っていたと思います。彼の思想も非常に合理的で斬新でした。見よう見まねで色々試しましたが、確かに効果的な技やトレーニング方法がたくさんありました。

とはいえ、32歳で急逝してしまったのは残念です。もし今でも生きていたら截拳道はどのような変貌を遂げていたでしょうか。多分今でも生きていたら、截拳道はかなりの変貌を遂げていたように思います。とはいえ本人以外は誰も知るよしのない技術・哲学故に、本当に惜しまれます。

私がかれこれ20年使ってきている英語名「Bruce」も彼の名から取りました。同門の米国人(その人はグリーンベレーの隊員でした)が私にそう命名したのが始まりです。最初の数年は何と言うか違和感だらけでしたが、今は武号である碧洲齋同様、私の一部となっています。

画像

SD101019 碧洲齋 Bruce