強くなりたいと志した前後でしょうか、実は心の中に公案のような命題を持つようになりました。
確か「風の谷のナウシカ」の取材か何かで、宮崎駿監督がたとえ話で言っていたことだったと記憶しています。
だから「風の谷のナウシカ」が公開される前後だったのでしょう。
「本当に優しい人は同時に本当の勇気を持っていなくてはならない。」
ということについて、監督がたとえ話をしました。
電車の中で暴力団風の怖そうな男がタバコを吹かし、となりで老人が煙でむせかえっていたとします。
さて、どんな行動を取るでしょうか。(乗務員を呼ぶという選択は別として)
このケースでは優しいだけではダメです。本当に勇気を持つことも必要になってきます。
強さを兼ね備えた優しい人ならためらわずに注意すると思います。
どんな場合も優しさを実行に移すのであれば、同時に強い勇気も必要だと言うことです。
確か監督は本当に強い人が必ずしも本当の優しさを持っている訳ではない、ということも言っていたと思います。
(理由は忘れました)
小学校の半分以上と中学校のほとんど全てをいじめられてきた自分にとって、これはなかなか考え甲斐のある命題のように思ったものでした。
実は今でもよくこの命題を思い返します。
今でも割に似たような状況に出合ったら、怯んだり尻込みせずにスッと出られるのはこの命題を意識しているからかも知れません。
個人的には単純に強くなりたいから、という気持ちの方がずっと強いのですが、強い方が正しいことがやりやすいことは間違いなさそうです。事実、弱かったときはどう考えても正しいことでもボコボコにされてましたから。
何となく書いてみたかった次第です。
SD100926 碧洲齋