不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

本物のこと

【キブンの時代】本物はどこに(1)

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/436471/

なかなかおもしろい記事だったので。

私は今まで流行につきあったことがありません。

私がやっていることが流行したことは何度かあります。

なので10代の頃から「人はなんて移ろいやすいんだ」と諦観していました。

私は小学生になる前からプラモデルが大好きでした。

しかし周囲は「クラい」とか「ツマラネェ」とか言って(この頃はオタクという言葉がなかったので)あまりよく思われていませんでした。しかし小学校6年生ぐらいの時にガンダムが大ブームを起こすと、今だったらさしずめ健全なサッカー少年までもがプラモデルに群がり、態度をころりと変えていじめに遭っていた私のところにやってきました。気分が良かったのと気分が悪くなったのが混在した、変な気持ちだったことをよく覚えています。あまり言いたくありませんが、正直心が傷つきました。なるほどプライドがない人はこうなのか、と。

中学生になると、エアフォースジャケットをよく着ていました。軍用品というのは完全機能本意で作られていたので、それが気に入っていました。が、周囲は「ミリタリーオタク」とか「右翼小僧」とか、まあ言いたい放題でした。ところが高校生になるとトムクルーズ主演「トップガン」がブームになり、街中では軍用ジャンパーを着た人が溢れかえりました。世の中の人間の軽いこと軽いこと、呆れてものが言えませんでした。ちなみに私は今でも軍用ジャケットを着ています。

以後、流行というものは少なくとも私にはあまり関係がない、悪くすると有害だという認識に至りました。

この記事では司会のピーター・バラカンさんが「本物を判断し、おもしろく感じるには、受け手にも知的好奇心が必要だ。おもしろさと低次元は違う。」と言っていますが、本当にその通りだと思います。受け手の知性が低下すると、一部のお馬鹿なマスゴミ、失礼、マスコミに支配されてしまうと思います。日本の大きな力は国民が全体的に教育レベルが高いと言うことです(これでも!なんです)。それが下がってきたら本当に目も当てられなくなると思います。こういうものは一度落ち始めたら止まらないような、そんな気がするのです。

「自信がないとき、人は気分をとらえようとする。気分に支配されていては、強いメッセージ性のある商品は生まれない」これも記事の言葉ですが、自信のない人が多すぎのように私は感じます。特にこのようなご時世なので、一億総ガックリになりそうな気持ちもよく分かります。でもこの世の経済力の低下や軍事的紛争、政界におけるお馬鹿な政治屋たちの跋扈はどうにもならないのであれば(そうあってはいけませんけど)、せめて自分だけで何とかなる気分だけは明るく持ちたいところです。

自分をしっかり持って、気分などというだだっ子の手綱を引き締めたいところです。

SD100910 碧洲齋