不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

露警

その昔、旧ソ連時代では警察は人々を威圧するための組織に過ぎませんでしたが、現在ではほとんど他国同様、市民の平和と安全を守るために働いています。制服も日本のそれと大きく変わらず、人々を威圧するようなデザインではありません。多分、旧ソ連時代に比べて当の警察官たちも非常に気楽に仕事がしやすくなったのだと思います。

・・・が、少々驚いた点が何点か。日本の警察官は他国と比べて非常に規則が多く、締め付けが厳しいように思いますので、それと比べるのも可哀想ではありますが・・・

・立哨中だと思うのですが、ポケットに手を突っ込んで、たばこを吸ったり携帯をいじっていたりします。誘導棒のヒモに指を引っかけてぐるぐる回していたりしている警官も多く見られました。

・これはアメリカの警察官と同じですが、やはり制服のまま普通にレストランやファーストフード店に入っていました。

エカテリーナ二世の宮殿に行った折、警備していた警官は暇そうに手すりにもたれかかって外を見ていたり、椅子に座ってたばこを吸ったり、足を投げ出して携帯をいじっていたりしました。

・あちらの女性警官は半分ぐらいはスカートでした。気持ち丈が短い感じですか。アメリカみたいに男女ともデブがほとんどいなく、柳腰に古めかしいゴツい大型拳銃を下げている女性警官はその・・・何となくエロさがにじみ出ている感じがしたのは私だけでしょうか(笑)。

・ロシアは基本兵役1年です。しかし警察官になったり、その類の国家公務員に従事すれば免除されます。プーチンの前までは罰金を払えば免除もできました。だから、軍人になりたくない人が警察官になることも多いようで、質としては決して高くないとのことです。

・要所では結構あちこちに金属探知機ゲートがあるのですが、鳴っても素通りか、指示されてバッグを開け始めたとたん「もういい」と言われたり、いささかやる気に問題ありのような気がします。もちろん、中にはまじめにやっているな、と思う人も大勢います。

私の友人も罰金を払って兵役を免除されました。彼の母親は戦争には絶対反対でしたし、いまなおくすぶるチェチェンに対するロシアの方針には多くの人の反対があります。ロシア人の多くは今の平和を大事にしています。いずれロシア連邦から離れていく、地下資源を有した国はあるでしょう。しかし武力で奪い取ることよりも、正当な対価を支払って供給してもらうことの意義の深さを、ロシア人たちは必ず理解してくれると感じました。急それ連からロシアに変わってから、軍事力の意義についてアメリカ人よりも深く考えているような気がするのです。

SD100722 碧洲齋