不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

温家宝首相のこと

私の会社では毎日中国製部品のクオリティの悪さに泣かされていますが、日本の政府内閣の政治家たちのクオリティはこれに負けないぐらいのような気がします。映画に出てくるような優秀な政治家でなくてもいいのですが、最低でもただでさえ悪い日本の経済の足を引っ張るようなことをして欲しくありません。今の政府は本当に日本の政府なのかと思うことしばしば。明治時代の政治家たちと比べると、今の日本の政治家たちは同族血縁などではなく、実は地球を侵略するために遠い宇宙からやって来た異星人たちではないかとまじめに疑ってしまいます。ちっこいくせに世界的に影響力を持つ日本から手始めに侵略しようと思っているのかも知れません。日本の子供向け特撮ヒーロー並みの悪役異星人ですが、本気で笑えない辺り、ちょっと怖いです。

今、中国から温家宝首相が来日しています。これまたひどすぎる中国の政治家官僚の中ではかなりの人物のようです。胡耀邦総書記を師と仰ぐ辺り、ただ者ではないような気がします。前回来日したときから気になってはいましたが、今回、たまたまテレビでその表情や所作を見たときに、偉人の気風を感じました。中国の政治家を褒めるのも何か変ですが、私は国に関係なく、素晴らしい人には惜しみない賞賛を与える方です。

技術者出身という辺りがまず信用できます。ある人に『「私の脳はコンピューターのようだ」「実に多くの統計を私は記憶できる」と述べた』と語ったとのことですが、控えめな温家宝首相がこのように言うからにはやはり政治は公明正大にしたいという意気込みが感じられます。

スピーチも原稿を持たないようです。これは本当に重要だと思います。災害地に真っ先に駆けつけて、現場の悲惨さに良く泣くことから、人民に良く慕われているようです。また四川省地震では、首相の後からやってきた人民解放軍に向かって「おまえらは人民から養育されている身だろう。少しは自分の頭で考えろ」と捨て台詞を吐いたと言われていますが、本当なら大したものです。ちなみにこの温家宝首相はかなり温厚な人物です。

彼の政策も人民のために、ということが色濃く出ているようです。もちろんかれもまた共産主義国の総理大臣ですから日本と同列で語ることはできませんが、排他的な中国で胡耀邦総書記が師だ、と公言していてなお、首相になってしまっていることに私は感銘を受けます。加賀前田藩が豊臣秀吉と格別の仲であってにもかかわらず、徳川幕府の世の中を幕末まで命脈を保った前田家のような感じでしょうか。

来日してからも毎日の習慣である朝の運動などを欠かさずしているようですが、どんなときも自分の習慣を曲げないというところは見習いたいところです。温家宝首相には大変申し訳ありませんが、一日本人からすると、日本人の総理大臣不在の今、来て頂いても果たしてどちらにとっても有意義な話ができるのかどうか。製品では「ジャパンク オリティ」と言えば言わずと知れたハイクオリティですが、政治家たちにも同じようなことが言える日がはたして来るのやら。

SD100531 碧洲齋