不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

天下りのこと

私の先輩弟子に国家公務員がいます。国交省の比較的高官です。世は公務員に対して天下りはけしからんと言います。先日聞いた(以前から聞いている話)です。

お役所は確かに給料は安定していますし、ある意味特殊な環境下でもあります。が、さすがだと思ったのはその仕事量というか忙しさ。新人君は入省してすぐに上司から「終電の時刻を調べてこい」と脅かされるそうです。そして少なくとも一年以内に一割以上の人が激務に耐えられずに退職するそうです。私の知る限り、先輩弟子は土日祝日もよく仕事に費やしています。事務仕事だけではなく、土地利権に関することで頭を下げに行ったり、現場に行ったり。よく日に焼けています。一般的にお役所仕事、と思われているのは窓口と一部の高級官僚だけのような気がします。天下りで更にがっぽりと黄金色を手にしている人もいます。が、多くはそのまま本省にいるよりも、関連法人などに再就職した方が国にとって安上がりだけでなく、かつ人材を活用できるとのことです。

どこまで本当の話かは分かりませんが、少なくとも彼を見ている限りは一般企業に劣らぬぐらいの激務であり、しかも国民の血税を給料としてもらっているという必死さは感じられます。天下りしたみんなが悪かったら、天下りは本当になくなるでしょうが、やはりそこは日本人、何か合理的な理由もあるから根強く行われているような気もします。この辺り、日本が何とか正常に舵取りしている理由ではないかと思います。ただ、彼も今の政権はもうダメだろうとは言っていましたが・・・私もそう思います。

SD100426 碧洲齋