不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

前宗家のこと

そういえば今日は先代宗家の誕生日でした。1889年のこの日に兵庫県明石市にて生まれています。先代宗家高松寿嗣先生は現在の宗家の先生です。

1972年に亡くなっていますから、実際に会ったことはないのですが、話を聞く限りでは凄い人だったんだな、と思います。

隣人も高松先生が武芸者だと知らなかったらしいです。実に見事な忍びぶりです。

今の宗家にどんな風に指南していたのか、断片的にしか知りませんが、やはり今では出来なさそうな手法もありました。

大正-昭和初期頃に何やら政府の内偵と思われる仕事で大陸に渡ったそうです。そしてそこで武芸上の色々な経験をされたとか。彼の地では「蒙古の虎」という異名で名の知れた武芸者だったそうです。

戦中戦後はひっそりと隠棲していた辺り、どんなことを考えていらっしゃったのか。その頃は奈良県橿原市橿原神宮のすぐそばに住んでいたそうです。昔、私が大阪勤務をしていた折にそこに行ったことがあります。宗家は橿原神宮の境内で稽古したそうです。

現宗家は15年間にも亘って毎週末、千葉県野田市から奈良県橿原市まで通ったそうです。新幹線がない時代でしたから夜行列車というやつを使っていました。本当にこの熱意には感服しますね。私にはとても出来ません。

高松先生と宗家が稽古をしている様子が8ミリビデオで収録されていて、DVDでも出ています。数年前に覧たときの感想は、私にはどこがどう凄いのかすら分かりませんでした。近日中にまた覧てみたいと思います。少しは進歩したでしょうか。

SD100310 碧洲齋