不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

リーサルウェポンのこと

Mel Gibsonの映画の話ではありません。あしからず。

朝青龍の引退について白鵬のコメント。

「自分は三段目に上がったころ、先輩から『お相撲さんの手は刀になる』と言われた。酒、どうこうではない。千秋楽まで(きちんと)やることが大事。してはいけないことをした」

さすが白鵬と拍手喝采をしたいようなコメントです。彼はきっと、親方になっても素晴らしい門下を育てていくことでしょう。

うろ覚えで恐縮ですが、武道有段者、もしくは格闘技でライセンスを持っている人間が暴力沙汰になったときは、少々刑が厳しくなると聞いたことがあります。もちろんそうでなくとも戦い方の心得がある人間が自制を忘れて暴力を振るうのは頂けません。

文武両道、という考えは多分日本特有の考え方のように思います。文武両道という言い方も他の国ではあまりしません。

サムライですが、普通どの国でも武器を腰に帯びた人間が政治を司るなどということは、軍事独裁政権でもない限りは普通認められませんし、あったとしても敬意を持たれることは少ないのです。はっきり言って世界的には異常な状態なのです。

海外では文官と武官はキッチリと分かれます。兼任はなしです。どこぞのいい加減な訳語では「サムライ=WORRIER(戦士)」となっていますが笑止。サムライにおけるWORRIERの任務はごく一部に過ぎません。だからこの場合、「適切な訳語はなし!」が正解です。侍は「SAMURAI」なのです。外国の方、特に武道と関係がない人たちにはこれが分かりません。逆に日本人も「侍=文武両道は世界共通で理解されているのは当たり前」という前提でものを考えています。故にサムライを尊敬している日本人が異様に映るのです。それで大人しく優秀で世界でも屈指の平和主義者となれば、なにか不気味な異星人とも映るのかも知れません。引いてはそれが日本人は何を考えているのか分からない、となるのです。

武芸はコントロールされた暴力であるべきだと私は思っています。崇高で深遠な哲学もけっこう、面白半分もけっこう、血眼になってもらってもけっこう。ただし何重にも施された安全装置を備えてもらいたいものです。特に世界でも類を見ないほど平和な日本です。滅多に暴力を使う機会など、有ろうハズがありません。故に用いる場面があるとすれば、よくよく考えて欲しいものです。

もっとも力士ともなると日頃から多くの自制を求められるので、何かとストレスが多い職業かも知れませんね。

しかし外国人とはいえ日本の伝統芸能に従事しているのですからその辺り頑張って欲しいと思います。

・・・全く関係ないですが、カーリング イギリス代表のエバ ミューアヘッド選手、ちょっと気が強そうですが、なかなかの美人でした。・・・

SD100222 碧洲齋