不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

前宗家のこと

今、ちょうど武芸のHP更新に当たり、前宗家の写真をなにげなく眺めていたのですが、急にゾワゾワ~ッとしました。今までに何度も見ているはずの写真なのですが、今初めて突然気付いたことが幾つもあったからです。正直、心臓に悪いぐらいに響きました。もっと優れた武芸者でなればすぐに気付いたはずです。今頃気付き驚愕する愚鈍な自分に腹が立ちますが、機が熟したが為に今気付いたということで納得したいところです。

前宗家は昭和初期頃に大陸に渡り、何か機密を要する任務に従事していたらしいのですが、同時に「蒙古の虎」という名を冠せられたほどの武芸者でした。しかし戦時中戦後を通しては軍や政府に協力をすることもなく、隣人も本人が武芸者であることを全く知らないほどに、ひっそりと隠棲していたとのことです。

新幹線もない時代、現宗家は千葉県野田市から奈良県橿原市まで毎週末通ってこの師に10数年も師事し、継承者となりました。現在においても当流の門下生は世界各国から来日していますが、彼らの熱意には全く脱帽します。

武芸の奥深さは面白くもあり、玄妙でもあります。

前宗家

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