不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

ジャパンバッシングのこと

敵がいるから頑張れる、愛ではないのです

苦しいときは歯を食いしばって、自分のより弱い内面を省察する・・・というような青春まっただ中のサワヤカ系治世術を信奉している国は、先進国の中では日本ぐらいかも知れません。東洋では中国、韓国、北朝鮮などがこれでもかと言うぐらい「反日教育」をしていますが、日本人が本当に憎くてそうしている、というよりも、国家をまとめて活性化させる為にそうしていると理解すべきでしょう。かの国の人たちの中でもマジで日本が嫌いな人は他国より多いにしてもごく僅かです。政府とインターネットのお陰でかなり大きく見えているだけです。南京大虐殺のようなものです。多くの日本人は理解していると思います。・・・もちろん日本人にはかなり不愉快ですが。

国内に不満が溜まったら、あら探しをしてよその国に因縁を付けて敵視します。多分これは非常に簡単にできる国家活性化方法でしょう。外に敵がいる、いえ作るのです。国内の少々細々としたことで騒いではいられません。「一致団結の時」にするのです。深刻なものでなければ、後でどうにでも言い訳が立ちます。特に日本みたいに人がよい国であればなおさらです。アメリカなどは大恐慌時代から時々この手を使って日本を散々叩いています。最近では日本がバブルの時、そして今です。そして哀しいかな、いや、幸いあるかな、正直の上にバカが付く日本人は、叩かれると本当に真に受けてグレードアップさせてしまいます。私などはアメリカは冗談でからかっているだけなのに、と思います。今回、プリウスなどで叩かれていますが、次世代自動車の開発に弾みが付いてしまったらどうするのでしょうね。そういうところ、色々計算していそうで、実はかなり単細胞なアメリカ人です。ペリーの剛談判の単純さからして、ほほえましいとも思えてしまいます。角界朝青龍みたいなものです。(あ、引退してしまいましたね)

さすがに欧州やカナダなどではその単細胞さに追従できず、ちょっと引いている節がありますが、その辺りが普通の国際道徳レベルとしておきましょう。欧米人的には(いや中韓朝でも)強く言い返さない日本は不気味に映るそうです。実際に欧米人の友人達からちゃんと聞きました。「日本人はいつもポーカーフェイス、本音を言っていない、何を考えているのか分からないところがある」いやいや、本音を囁いているだけです。強い自己主張が嫌いなだけです。いちいち文節毎に「私」を入れなければならない対話が不愉快なだけなのです。要するに本気で平和主義を信奉しているということを信じられないからです。確かに、平和主義を信じていない人からしてみれば、平和主義を信じ切っている人種は信じられない類でしょう。私はよく先進国から来た同門達には「日本は先進国唯一の東洋国家で、しかもキミタチより桁が一つ多い、遙かに古い歴史を持っている。その上、世界に愛を広めに行った(もちろん皮肉です)歴史も浅いから、さぞや理解しにくいのだろうね」と言い含めることもあります。

バブルの時、私はアメリカにいました。ショッピングモールに行くと、毎週のように閉まっている店の数が増えていました。アメリカの新車の出来も酷かったですが、日本車が破壊される様を映したCMも酷かったように思います。残念ながらいかなる製品でも日本製を上回っているものは無かったように思います。(お祭りや基地祭で拝見した各種兵器だけは非常にスバラシイものでしたが)スーパー301条みたいに「おいおい」と思うようなことも決めてしまいます。思慮深いとはちょっと思えません。(今の日本の政権もいい勝負ですが・・・)熱狂的に「USA as No.1」を叫んでいる人はいましたが、あまり大勢に影響はなかったように思います。

だから・・・あまり日本を叩かないで下さい。真綿であなたの首が絞まるだけです。

SD100206 碧洲齋