不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

猫のこと

去年の今頃だったでしょうか、家の裏にある物置に子猫が住み始めました。親猫がいなかったので、もしかしたらはぐれたのか、死んでしまったのかも知れません。我が家の裏にある物置小屋は野良猫にとっては非常に快適です。数日間、観察していましたが、どうやら本当に一人のようでした。あまりにも可愛らしく不憫だったので、ミルクをあげることにしました。死んだ母もよく餌をやっていたことを思い出します。 息子が名前を付けました。「ラン」。女の子の名前ですが、その時は性別は不明、後になって雌であることが分かりました。名前の由来も最近教えてくれました。ライオンは猫科です。ライオンを短縮して「ラン」なのだそうです。 最初は寝床の近くにミルクを入れた入れ物を置きました。2ヶ月後は玄関の近くにしました。十分に大きくなると猫の餌を買ってきて与えました。そして昨年の秋口に保温材を内張した段ボール箱を用意しましたが、ランは非常に気に入ったらしく、年末辺りになると今まで警戒してある程度距離を保っていたのに、私たちが帰宅しても箱から出てきません。 十分に暖かい住み処と朝晩に出される猫餌とミルク、時々魚の残り。他の野良猫からしてみたら、うらやましいことこの上もないでしょう。 玄関や窓を開けておくと勝手に入ってきます。私にだけはよくなつき、今月ぐらいからは普通に触れるようになりました。野良猫なのである程度警戒心もあり、今のところ完全になれているのは私だけですが、息子も仲良くなろうと奮闘中です。 夕方、犬の散歩に行くのですが、ランは必ず付いてきます。うちの犬は迷惑らしいのですが、ランはうちの犬が大人しいので好きらしく、すり寄ってきたり、おしっこをしようとするうちの犬を驚かせるためにわざと木の幹を反対側から回ってきます。他の散歩をしている人から見て、ずいぶんおかしな連中に見えることでしょう。 動物が嫌いな妻からは猫の餌を買うたびにイヤミを言われるので少々困るのですが、息子に命の尊さを教えるのであれば安いものです。いえいえ命に高い安いはありませんね。今後の問題は子猫を産んだらどうしようかということです。私はなるようになれと思ってはいるのですが、やはり数が多いと困ってしまいそうです。
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SD100125 碧洲齋