不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

坂の上の雲のこと

冷静に考えると明治時代という時代はおかしなものです。

明治は45年までですが、日露戦争中に司令官クラスだった人たちが生まれた頃は二本差しにちょんまげ、大名がいて蒸気機関とはなんぞや、などいう時代でした。それが時代が移ると当時世界の最新鋭のハイテクメカを駆使しているのです。やはりこれはおもしろいと言うべきでしょうか。

明治時代の民衆からするとさんざんな時代だったかも知れません。

あり得ないような巨大な敵と泣く泣く戦う羽目になって、なけなしの財政のほとんどを軍事費につぎ込まねばならない立場だったのです。悲惨だったでしょうが、運がよかったのはこの頃の民衆の意識は江戸時代といくらも変わらなかったことです。黙々と高い税金を支払い続けた民衆は本当にえらかったと思います。これが平成の世なら眼も当てられない気がします。

愚痴を言うためではありませんでした。

坂の上の雲」今年分が終わりました。

最終回はさすがに素晴らしかった。

金も手間も暇もかけているだけあり、素晴らしいものだったと思います。

これで来年まで繋げるとは・・・NHKに誰ぞ策士でも現われた感があります。

でもこのままのクオリティーだったら乗せられたままにしておきましょう。

妻の祖父母は現在共に90歳以上、大正半ば生まれです。

・・・つまりその当時、60歳前後だったご老人方は皆、江戸時代生まれです!!!

試しに聞くと、幼き頃に周囲にいた長老クラスの老人達はやはり、違う人種の趣があったようです。

それにしても江戸時代人と会ったことがある人とは・・・うらやましい限りです。

ちなみにその祖父母は東京大空襲の下で結婚式を挙げました。

明治時代を俯瞰するに、日露戦争時、日本という国は政治、外交、経済、軍事、教育それらを有機的にフルに駆使していた気がします。それらをフルに駆使すればあのくらいの偉業はできるものだと思います。現在の政治家の先生方の外交政策や内政を見ていると、先が思いやられます。明治の偉人達と比較するなと言われたらそれまででしょうが・・・。

来年の同じ時季までまで楽しみです。

SD091227 碧洲齋